Instructor Diary
スペインツアー2015〜16 ①
この一年で4回目のスペイン、ちょっと狂ったようにスペインに夢中になっている。
初日はバルセロナからVilanova de la Salのアパートメントへの移動を無事に完了。
9月は初日から盗難に遭った事を思うと、ホッと一息。
Cal Riberoという名のこのアパートはとても綺麗で暖かくて超快適!
二日目は待望のclimbing!
まずはFutbolinで3本アップ。
アップを終え駐車場に降りていくと、ドローンを飛ばして遊んでいるカップルが・・・
うちの車の隣には見た事のある白い車・・・
ん、!?
ヘニング!
なんと、彼女?連れ!?
ドローンを飛ばして嬉しそうにしてたのは、ノルウェー人のヘニングだった(笑
あと数日で1,000km離れたアンダルシアの岩場に行くそうな。
Cova Granへ移動すると、いきなり奥村さん!
一家3人で今年もスペインツアーだそうです。
ゆう君は去年より身長伸びてるし、益々登るんだろうなあ。
日曜でクライマーは一杯なのに、前シーズンに出会った人が見当たらない。
何本か登っていると、60歳で8b+(5.14a)を登ったsuper爺ちゃんノバート発見!
相変わらず人なつっこい笑顔で握手してくれた。
会うのは3回目だけどきっと覚えて無いだろう。
移動の疲れがあるので、昨シーズン登れた課題でのんびりClimbing。
最初はゆっくりCova Granに体を慣らしていこう。
それにしても今年のSanta Linyaは暖かい!
去年はガスがひどくて寒すぎたよねって奥村家と談笑したけれど、
今年のスペインは異常に暖かいそうだ。
そして今日3日目。
曇り。
寒そうなので、Balaguerで買い物してからのんびりCova Granへ。
昼を過ぎても曇りだったけれど意外と寒くない岩場には、見覚えのある黒い犬!
シャナ!
って事は、エキ&マリ!
二人とも覚えてくれていて嬉しかった。
それにしても、出会う人みんな、
Manabu&Kaoriはいないのか?
って、不思議がってた。さすが米山家!
年明けに来るよ!
って伝えたら納得している様子だった。
今日は初めてノバートのビレイもしたり、ムーブの話もしたので覚えてくれたかな?
3時頃には雲も消え、とても暖かい。
今日、僕は疲れが出ていたのでMeneo CanarioとBoludoをじっくり登りトレーニングに徹底したが、
Mayuちゃんは、Meneo Canarioの核心をバッチリこなせるようになっていた。
昨シーズン最終日に迫る勢いを2日目でこなし、大満足のスタートとなった。
最近
秋の鳳来シーズンも寒さの為に終了し、先週、先々週末は、まったりクライミング。
徳島県、日和佐に2日居たのにグルメ三昧で登ったのは1日。
暖かったけれどモチベーションが・・・
岡山県、備中では、この秋公開された元祖奥之院という新しい岩場を訪れました。
二日間で5本しか触りませんでした(笑
5.8〜5.13aまであり、日が当たれば暖かい。
しかし、開拓されたてなので落石は非常に多いです。
ヘルメット必携です。
あと2,3年は浮石が落ちてくるかもしれません。
2015年のBBFスクールも今日で仕事納めとなります。(少し早すぎ?)
さあ、今からパンプで今年最後の講習をしてきます!
鳳来 2015/10/09-12
先週木曜日、突然鳳来に4日間行く機会を得た。
夕方出発。
金曜、晴れ時々曇り
今シーズン初の鳳来は3ヶ月振り。
岩はカラカラ。
いきなりベストシーズン。
何を登るべきか・・・
肘を痛め、6月でトライを断念したルートは保留決定。
2年前、力量不足を感じた課題にヌンチャクを掛けてみる。
土曜、雲
岩は乾いていても空気は湿気を含んでいた。
結局下部でトレーニングのみ。
日曜、雨、レスト
月曜、快晴
岩はパリパリのカラカラ
やっと一便だけ核心ムーブをチェック。
疲れているのか、痛いのか、気乗りしない登りがほとんどだったが、岩に触れた事が嬉しかった。
スペインの課題は豪快で強烈だが、鳳来の課題は繊細さが必要。
色んな岩を登ることが大事ですなあ。
Spain Rodellar ツアー
スペイン、Rodellar(ロデジャ、ロデヤールと言われるが現地では、ルォデヤルと聞こえた。)ツアー
9月3日に日本を発ち1ヶ月の滞在で10月4日に帰国しました。
標高800m前後のSiera de Guaraの山並みの入口の渓谷に広がるクライマー必見の岩天国。
バルセロナから車で3時間ほどの片田舎、周りには山と川と岩しかない。
40を超えるエリアにスポートのボルトルートが600本以上!
傾斜の無い易しい岩からドッカブリまで。
グレードは6a以下のⅣ級(5.6ぐらい?)から9b(5.15b)まで!!
よりどりみどり。
しかも上記のルートが徒歩30分以内の渓谷内にひしめきあっている。
今まで色んな岩場に赴いたが、こんなにスポートルートのグレードや本数がひしめきあったエリアは初めて!
一発で気に入りました。
ツアー初日にバルセロナでパンク盗難に遭い予定から3日遅れでロデヤル入りしたが、その後の3週間は天気にも恵まれクライミング三昧だった。
Rodellar村にはいくつかの宿泊施設とMasucunキャンプ場があるのだが、我々は1km手前のCamping El Puenteというキャンプ場のロッジに滞在した。(Puenteとは橋の意。キャンプ場のそばに古い石の橋がある。)
ここの女主人Finaはとても親切で、多くの日本人クライマーを迎え入れてきてくれたようである。我々もすっかりFinaにお世話になりました。
朝、夕は冷え込み暖房を必要としたが、日中の日なたは日差しが強く日陰を求めてエリアを移動。
最終的に11エリアで40本のルートを完登できたが、準備不足の今回のツアーでは高グレードを登ることはできなかった。
高グレードは来年以降のツアーの楽しみとしよう。
シーズンは、4月から11月のようだが、夏の岩場として5月から10月までが一般的なようだ。
ベストは9月かも?
”That’s climbing show”5.12c
一昨日、鳳来ハイカラ岩にある”クラショー”こと、”That’sクライミングショー”5.12cをRPしました。
聞くところによると”That’sクライミングショー”は、まだハイカラ岩にルートが無かった頃、関西オールドクライマーならご存知のMさん、(いや、Hちゃんのほうが一般的?)が、
「ここ、登れるんちゃうか!?はっ!」
(はっ!て言ったかどうかは眉唾だけれど)
ってラインを見出し、その後ハイグレードの宝庫になるハイカラ岩のきっかけを作ったそうな。
当時のレベルではあの傾斜は未知の壁だったであろうに、Mさんの先見の明には恐れ入るばかり。
その”クラショー”にゴールデンウイークに触りだし、核心で何度も何度も落ち続けた。
次こそは!次こそは?次こそは???
あれれれれ?
これはマズイと、先週クライミングジムで核心部分のパート練習を徹底的にこなした。
その際、久々にボルダリングをしてみたが、とてもとてもボルダー力が落ちていた。
いや、無かった(笑
瞬発力、いやいやクライミング力が落ちている。
傾斜のガバガバ持久力、体幹は強くなっているのだが・・・
土曜日。この日は、気力、体力、十分。
一便目マスターレッドポイントを狙ったが、さすがに残置ビナの多さと処理に手間どり、核心手前でヌン掛け便に変更。
なんだか昼になると早朝出発のせいか体が重だるい。
やばいやばいとお昼寝熟睡。
今日こそは登る!
自分に言い聞かせて、二便目!
3ピン目上の強度のあるムーブでキレを感じた。
みんながレストするニーバーは弱い僕には消耗に繋がるので、すっ飛ばして一気に核心へ。
手応え有り!
不安を感じていたリップ寄せ&ヒールフックも安定して快適なレッドポイント達成。
ホッとした。
多くの人は、あんた当然でしょ?今更何やってるのって空気感でしたが、実は僕には非常に嬉しい限りのレッドポイントでした。
限界グレードではないにしろ、できなかった課題ができる瞬間はやはり非常に嬉しい。
その他にも嬉しい理由がある。
クライミングを始めた頃、グレードで判断するのではなくルートそのものに目標を持つべきだと教わった。
見た目がカッコイイ、名前が素敵、なんでも良いから目標になるルートに出会えるとモチベーションが湧き上達が早いのだと。
岩を見ろと言われていたのかもしれない。
しかし、ビギナーの当時の僕にはできるルートなんて数が限られていたので、トポとにらめっこしていつも岩場の簡単な課題から登り、ただただガムシャラに登ってなんとか次の課題に進む。
頭の中は目の前の課題で精一杯だった。
登った後で好き嫌いを感じても、岩を見てどうこうなんていっこうにわからなかった。
そんな中、5.11が精一杯の15年位前、初めてハイカラを見学し、
”That’sクライミングショー”を見たときに、
かっこいい!!
いつか登りたい!って、初めて思った。
まったくもって途方もない先のグレードなので具体的なムーブでは想像できないにしろ、高嶺の花に恋をした。
その後、海外でのクライミングでグレードを上げだして気が付けば”クラショー”のレベルに到達していた。
生意気にもオンサイトしたいなんて思って、ハイカラに行くたび人の登りを見ないように気を付けていた。
なぜ、そんなに温存したかというと、僕はとても怖がりなのでオンサイトがとても苦手なのである。
未知のホールドに手を出すとき、力が入りまくって握りこみ過ぎるのだろう。
とにかくビビリ過ぎなのである。
そんな僕も、”卒業”5.12bを10年ほど温存して一撃できた貴重な体験があるので、ついつい”クラショー”も温存しすぎていた。
(人によって、いつ課題をトライするかのタイミングで課題から感じるものはそれぞれ。早いか遅いかも人それぞれ。)
なぜだか、流れなのか、この春”クラショー”をトライする気になった。
オンサイトなんてとてもおこがましいほど、はじき返された。
想像以上に僕には苦手な核心ムーブだった。
結局、思っていた以上に便数を出しながらRPをした。
何度も下部のパートを登っていると、ハイカラ岩の傾斜になれてきてドンドン気持ち良くなってゆく。
いつもリップ手前で落ちていたので、なんだか傾斜に慣れる練習をさせてもらえた。
憧れた高嶺の花をじっくり堪能して、きっちりと仕上げた。
きっと、5.12cを目指していた頃にRPすれば感動も大きかっただろう。
けれど、ひよこクライマーだった僕が、大いなる気持ちにさせてくれた課題を登れた事はとってもとっても嬉しい限りなのである。
カラッカラのガラッガラ 鳳来
2015/05/23(土)~24(日)
土曜、珍しく3時半に起きて早朝出発。
午前中、朝の寒暖の差で岩は湿気り気味。
鬼&ハイカラエリアは局所的に混雑していた。
特にがっかりエリアは”ジェットシューター”8人の大盛況。あんなに人が多いがっかりエリアははじめて見た。
この日はKさんが数年越しの課題をRP。拍手喝采。
離れていたが、色んなおめでとうが飛び交って聞こえてきた。
岩っていいなあって思う瞬間。
僕も、”That’s クライミングショー”5.12cをやっとレッドポイントして、”アクシデントウルフ”5.13bを一年振りに触りだしました!
この日、翌日曜の天気予報は雨。
みなさん荷物は残置せず撤収モード。
そんな中、我が家だけは雨に濡れ無さそうなルートの下部だけ徹底練習するつもりだったので登る気満々。
明けて日曜、朝5時。雨は未だ降らず。
それならば降る前にアプローチを登りきろうと6時に乳岩Pを出発。
8時にアップを終えても誰も上がってこないので???
しかも空には青空!
前日より朝の岩はカラッカラ。
遅めに上がってきた人達に聞くと予報は一転、晴れに。
なのに、岩場はガラガラ。
クライマーはあちこちに分散されほとんど人が居ないかの状態。
昼過ぎ岩を見上げると、誰も登っていない時間がしょっちゅう。
間違いなく混んでる平日より静か。
日曜なのに。
天気予報のなせる業、まさに珍事!貴重な一日でした。
春の岩
今年は例年になくドタバタとした春を過ごしました。
家をリフォームし、仮住まいからの引っ越し。
引っ越しにまつわるあれこれは結構大変ですね。
春のクライミングツアーは不完全燃焼でしたが、まとめてレポートします。
2015/04/07(火)
宝塚にあるシークレット岩場に案内していただきました。
雨後の曇り空、寒かったですが午後から出動して3本ほどオンサイトを楽しみました。
今後岩が安定してゆけば講習等で訪れたいものです。
2015/04/12(日)
備中:ニューエリア
4月は異常なほど雨が多かったですね。
アウトドア講習もことごとく雨で中止になりました(泣
そんな中、1日だけ備中。前日までの雨で滝ができてました(笑
あちこち濡れていたので、乾いていた”親の心子知らず”5.12aを初めてトライ。
ボコボコにやられました(笑
2015/04/25(土)〜26(日)
引っ越しで2週間振りの岩場。
待望の鳳来!鬼&ハイカラ!
気温、湿度共に最高のコンディション!
しかし、指皮が耐えられない!!!
2年振りに”ドントストップザカーニバル”5.13bを触ったが、皮が痛くて一日で断念。
2日目は、ハイカラ岩で”たぶん大丈夫でしょう”5.12bのOSトライするも、返り討ちにあいました(笑
やられっぱなしですが、やっぱり鳳来は素敵です。
2015/04/29(水)〜5/10(日)
ゴールデンウイーク鳳来12日ツアー
天気に恵まれ、12日で雨は2日だけ。
作年、春の雨に降られまくっただけに快適なツアーでした。
ただし僕自身は、初日に足を酷使したのか、クライミング2日目には謎の右足痛の為4日間のレストを余儀なくされる事に・・・
(”たぶん・・・”5.12bは無事RPしたものの、スリップしたり回収で登り返したりハムスターのように4回も登ったのがいけなかったのか?)
一方奥さんは、クライミング4日目に目標の課題を見事にレッドポイント!
予想以上に早い仕上がりで、僕も大満足。
レスト、スクール、レスト、レスト、とストレスが溜まってきた頃に、足の痛みも癒えなんとかクライミング復活。
しかし、目標の”アクシデントウルフ”5.13bのトライを開始する前に、気になる3本の5.12をやっつけるつもりが、
”That’sクライミングショー”5.12cが終わらない。
結局、これが終わるまで”ウルフ”をトライしないと決めた結果、ゴールデンウィークは”ウルフ”触らず。
“クラショー”は15年前、初めてハイカラ岩に行った時、カッコイイ!いつか登りたい!って思ったルート。
いつの間にやら、いつかオンサイトしたいに変わって温存。
やっとその気になったが、オンサイトだなんてとってもおこがましい限りでした(笑
結局12日で5日間のクライミング。
当初は7〜8日登るつもりでしたが、まあツアー中に登りが再開できたことに感謝!
2015/05/17(日)
土曜は雨だったので一日鳳来。
もう登れると思い込んでいた”クラショー”にまたもや返り討ちにあいまくり。
That’s Climbing!!!
4月からスクール再開します!
皆さん長い間お待たせいたしました!
4月からスクール再開します。
12月からのスペインツアー、
1月ほんの少しの講習
2月に満6周年を迎えた事も忘れ、チケット取りと色んな調整に奔走
3月、半月前に帰国後も、自身の登りに集中
スペインでは、自分の判断の甘さ、対処の甘さから、10m以上のフォールをしロープに足を絡め打撲を負いました。
ビレイに対する油断も感じました。
ルート1本1本に集中しなければ登れない事も、今更ながら再認識。
そして、たくさんの素晴らしい課題とクライマーに学びました。
全ては当たり前の事なのかもしれませんが、少しの油断、慢心、過信が時には取り返しのつかない結果を招きます。
僕自身、理解しているつもりがpushし続けていない間に、胡坐をかいていたのだと気づきました。
これから、油断が無いかと問われれば、いつでも完璧ですとは決して言いきれません。
ただ、インドア、アウトドア、ルート、ボルダー問わず、課題や、岩と対峙する事に、今まで以上に真摯に向き合う事は誓えます。
それは、人がトライしていても自分が登っていても同じ。
簡単に登れる課題も、低いグレードの課題も、油断や慢心が伴うと簡単に足元をすくわれてしまう。
もちろん何より楽しむ事を一番に!
安全に
そしてPUSHし続ける。
BBFの名前の意味は、尋ねられたお客様に伝えてはいましたが、まさに僕への戒めです。
”be Blue in the Face”
直訳すると、
”顔が青くなる”
20年前、勤めていた会社のFishig Teamに名前をつける時、辞書で見つけた慣用句。
”顔が青ざめるほど未熟者”
Fには、Face、Fishing、Free-climbingを内包させてBBFとしました。
すぐに調子に乗って天狗になってしまう、僕への戒めです。
7年目を迎えたBBF Climbing Schoolまだまだ未熟者ですが、よりClimbingを楽しむために一緒に登りまくりましょう!!!
今年は平日アウトドアをメインに依頼をお待ちしていますので、よろしくお願いいたします!
備中 ニューエリア 2015-②
2015/03/27(金)〜28(土)
先週末は金〜日曜3日間の変則パターンで岡山県備中に入りました。
金曜ニューエリは貸切!
ポカポカ陽気で久々に誰もいない静かな岩場を満喫。
沢山のクライマーと情報交換したり応援してくれる休日も良いですが、たまには仕事を休んで岩を独り占め(二人占め?)するのも超オススメですねえ!!!
金曜は”神楽坂”5.12aを快適にRP
土曜も好天気。
その割にクライマーは9人。
金曜から土曜にかけて、二度目の春5.11cを4便かけてRP。
しびれるClimbingを体感。
日曜は朝の小雨、体の疲労の結果、磐窟渓(いわやけい)を見学して退散。
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”二度目の春”は、4年半前に触り余りの悪さにそれっきり保留にしていた課題。
今回、スペインツアーを経て無性に登りたくなった。
磨き抜かれた石灰岩はスタンスもホールドもツルツル。
初めて触った時は5.11bと表現されていたのだけれど、かなり悪くなったのだと想像できる。
時間帯によっては、テカテカと光るホールドが保持できず2pin目のクリップすらままならない。
つまり、たぐって滑ったら即地面。
以前、どうしてもできなかった核心も、丁寧にバランスを探してもピタっと決まらない。
怖くて、悪くて・・・
けれども、集中する事はとても大事。
危険なクリップを避け時を待ち、冷えた岩にトライ。
2pin目も安定してクリップ。
核心はオフバランス、手も足もデッドで爆発的な力を振り絞る。
力尽きフォールしたものの核心をクリア。
ああ、この感じだよなあ・・・
綺麗に安定するにこしたことは無いけれど、オフバランスでも力で押さえ手足を動かし続ける。
ほとんど落ちている態勢でも手足を先へ進める。
ほんの少しでも止まっていたらこっちのもの!
最終便では風邪と疲労で体はヨレていたけれど、集中力でレッドポイント!
奥さんいわく、力のあった3便目より明らかに疲れた動きなのに、足の安定感ムーブの安定感は上回っていたようだ。
怖い課題も、悪い課題も、色んな工夫をして、綺麗であろうとオフバランスであろうと、ムーブを見極め集中すれば結果が伴う。
グレードに関係なく危険なルートも内容の濃いルートもさまざま。
僕は”二度目の春”を人に勧める事は無いだろう。
ルートとの出会いは人それぞれ。
ただ、また、こんな気持ちにさせてくれるルートに出会いたい。
スペインツアー終了
スペイン滞在32日、クライミング可能な29日のうち19日登ることができました!
中盤、疲れ果ててしまい7日間で2日しか登れない時もありましたが、
終盤11日間で9日登れたのは、登りたい!っていう気持ちが体を支えてくれました。
最終的には4つの目標の、最後の8a(5.13b)の完登は果たせませんでした。
結果的に今回は、登りたい8aを探すツアーとなったのかもしれません。
もちろんそれだけではないですが、おかげ様で良いルートに出会うことができました。
未だ、まとまなトライはできていませんが、いつの日か必ずそのルートを登りたい!
前篇のツアーでは純粋にトライできる喜びと出し切った清々しさを感じた。
今回の後編は、
登りたいルートへの集中力、達成感、登りきる事の難しさ、不甲斐無さ、喜び
目標の設定、危険の判断、墜落の処理、恐怖心、疲労とのバランス、慢心
色んな事を痛感した。
体に痛い事も味わった。
自分ではわかっていたはずの事も改めて思い知った。
若い時は力尽くで押し切れた事も今はできない事も知った。
色んな事が足りていないと感じ、全てがとても大事に感じた。
今はただ、ひたすら登ろう!
そして、今回目標設定以外に得る事ができたものがあります。
ある意味目標を達成する事以上に大切に思ったのが、
前後編通じて、あらゆるクライマーとの交わりでした。
仲間、地元の人、トップレベルの人、プロの人、初級、中級、上級
レベルを問わずに全てのクライマーの真剣な思いや、純粋に登る姿が、色んな事を教えてくれた。
強い人も、弱い人も、上手い人も、下手な人も。
クライミングは人それぞれ色んなスタイルがある。
どんな登りをするかは人それぞれ。
でも、間違いなく共通しているのは登りたいという一心。
自分を見据え、努力をいとわず、一心不乱に登った人達が完登の喜びを得る。
そして間違いなくそれに満足せず、次の挑戦を始める。
そのルートを登りたいと思う強い心が、困難を可能にする。
あまりにもいいものを沢山まのあたりにした。
自分にとって、良い事も悪い事も、全てが僕の血となり肉となり糧となる。
全てのクライマーに感謝します!
そして支えてくれた全ての人に、ありがとうございました!
僕にとってのクライミング
今回のスペインツアーは、色んな思いが詰まっている。
特に今日のクライミングから感じた事は僕にとって余りにも大きかったので、以下に記すのははツアーレポートというより日記のようなものです。
ツアー後編に際して、僕は四つの目標を立てた。
1.デボラ・オンブレス7c+(5.13a)の完登
2.前半のツアーで触る事のできなかったルートへのトライ
3.ブルーシャスでのクライミング
4.8a(5.13b)の完登
最初の目標は後半のツアーのきっかけともなったデボラを登りたくて日本でのトレーニングに励んだ結果、クライミング4日目に成し遂げた。
そのおかげで二つめの目標も達成している。
デボラ完登で余裕ができた為、前半で聞いていたお勧め課題を何本もトライする事ができたのである。
三つめの目標、ツアー中盤の13日目(クライミング9日目)にブルーシャスでのクライミングを行う事ができてクリアした。
しかし、ブルーシャスで目論んでいた8a(5.13b)へのトライはトップアウトさへままならず、未だに達成されていない。
ここまで書くと後半のツアーが順調にすすんでいるように感じられる方もいるだろう。
しかし、僕にとって順調とは程遠い中盤を過ごしていた。
それは、後編ツアー(2月〜3月)のクライミング初日、オリアナにあるTutti Frutti7c+(5.13a)との出会いが引き金となったのかもしれない。
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話に聞くところによると、Tutti Fruttiは僕の尊敬する女性クライマーがオンサイトを成し遂げている。
僕もオンサイトを狙ったが核心で敢え無くフォール(墜落)。
二便目は惨憺たるものだった。
その後、デボラを完登して晴れ晴れとした気持ちで2回目のオリアナに出向いた。
その日は仲間3人とTutti Fruttiをトライ!同じルートを一緒にトライできるなんてめっちゃ嬉しかった。
2巡目、仲間がTutti Fruttiをレッドポイントした。
僕も2巡目、実質3回目のトライ(その日一便目は探りに上がったので通算4便目)で、まさかの核心を抜ける事ができた。
よし、登れる!
仲間と同じ日に同じルートをダブルレッドポイントをできるなんてめっちゃ幸せだと思っていた。
核心を超えてから凍える手を温めながら高度を稼ぐ。
しかし、最終ヌンチャクにクリップしたあたりで手のパンプが一気に進む。
手のシビレだけでなく全身が麻痺し始めていた。
レストする度に、体が麻痺してゆく。
「落ちるかもしれないけれど突っ込みます!」
って叫んでいた。
痺れた体は動いてくれた。
終了点を掴んでいた。
右手でロープを持ちたかったが、無理だと判断して右手もホールドを掴んだ。
僕は両手を終了点に到達させていた。
ただ、その時なんの力も残っていなかった。
ロープを触る事すらなく瞬時にフォール。
あ”--------------------っっっ!!!
登れた・・・のか?
確かに終了点に到達したが完登(レッドポイント)していない・・・
僕は核心を超えた時、登れると思い喜んでいた。
デボラを登った事で、自分が調子が上がっていると喜んでいた。
そう、僕は調子に乗っていた。
しかしそれは簡単に手から滑り落ちるほどのちっぽけな自信だった。
30mのルートの終了点からロワーダウンしている時に、1本1本の指に心臓があるかのように血の流れを感じた。
長いロワーダウン、最初は悔しさ、口惜しさ、無念さで自分に対してあきれ顔だった。
また登らなければならない・・・
いや、また登る事が出来る・・・
登れていたら当面触らないだろうが、またチャレンジする機会をもらった。
これからのよりハードな登りへの持久力トレーニングになるはず。
ロワーダウンが終わるころ僕は笑顔に変わり地上に降りた。
That’s climbing!
次回、必ず完登する!と信じていた。
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その後の一週間、Tutti Fruttiはさて置き、他の岩場で色んな課題をトライしていったのだが、7a+(5.12a)以上の課題が登れない状態にはまっていった。色んな課題を触り疲れも溜まっているのだろうと思っていたが、極めつけはある日の最終便に現れた。
それは7a+(5.12a)のルートだったのだが、疲れ果て、手も足も痛くて全てのクリップでテンション。ガバを持ってもテンション。何をやってもテンション。
それから数日、僕の手足は熱く、痺れが治らなかった。
完全にオーバーユース、使いすぎ。
それでも、登り続けたい思いは僕をジョギングに駆り出し、体幹トレーニングに没頭させ、12月に59kgあった体重は54.9kgまで落とす事ができた。
力の弱い僕は今回のツアーで極限まで体重を落とそうとしていた。スノーボードに没頭していた8年前の最低体重は53kg、これが目標だった。
登りの日は、岩場に煙草も持って行かなかった。
ヨネちゃんの作ってくれる晩御飯も、12月とは打って変わって高タンパク、低カロリーに徹していた。それでも美味しいのだからヨネ飯恐るべし。
そんなヨネ飯すら食べるのを控えた。
普段必要と感じていないBCAAも登った直後は投入しまくり、足りると思っていたBCAAをツアー半ばにして1瓶空けてしまった。
(幸い、3月から参加した仲間に依頼して補充できた。)
僕はエンジョイクライマーである。
ストイックなクライミングをしていない。登りたい時に登り、疲れたら休む。
もちろん登りたいルートに出会うと夢中になる。頻繁に通いこむ事も多々ある。
それでも自分はストイックなクライミングをした思いが無い。
しかし、登りたいという思いはあらゆる手段を講じたくなるのだと初めて感じた。
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2日間レストを取り、腫れ上がった手は治まらなかったが8日振りにTutti Fruttiを探りに上がった。
体は軽い。動きも良い。テンションを入れながらのムーブの確認でキレも感じ、間違いなく登れると思った。
トライ通算4便目(実質6便目)、つなげて登ると核心入口でフォール。
手足の痛みは止まない。
その日はたった1トライでクライミングを止め、また2日間レスト。
7日間で2日しか登らず。
それでも尚、手足の痛みは癒えない。
僕には休養が必要だ。
そしてレスト明け、コヴァグランで目標のハード課題へのトライ。
2便出し、ボコボコに敗退。
他の課題も敗退、敗退。
手足の痛みが集中力を低下させていた。
翌日も休むつもりだった。
残り日数を考えると、ハード課題や目標の8aはほど遠いと感じていた。
ある意味落ち込んで、スネていた。
レストのつもりで深夜ヨネちゃんの過去ブログの読み返し、楽しくて眠れず、朝食後爆睡していた。
しかし、突然タルタレウの岩場に行くで!って起こされた!
運転手して!って。
いやいや、俺はレストが必要やねん!運転どころか20時間ぐらい寝る!
ん?タルタレウ?
行った事ない岩場。
行く行く!
・・・・・・
ん、登る登る!!!
もう食べたいだけ食べて、岩場でも吸いたいだけ煙草も吸った。
易しい課題を6本オンサイトした。
手足は痛かった。でも豆も削り痛みは減りだしたのを感じた。
とても、とても楽しかった!
——————————————————————
翌日、3日連続となってしまうがオリアナに赴いた。
休みが必要なはずなのに。
でも、Tutti Fruttiを2便出した。
全然登れなかった。
その翌日、レストを利用して一人で3時間半ハイキングをしながら考えた。
僕は、Tutti Fruttiに対して絶対登りたいって思っていなかったのかもしれない。
安易に登っていた。
一度全てのムーブを通して登った時に、モチベーションを失っていたのかもしれない。
間違いなく、もっと上のグレードを登りたがっていた。
現実はもっと真剣にトライしないとTuttiは登れない。
上のグレードより、やるべき課題は山ほどある。
ああ、ああ、Tutti Fruttiを絶対に登りたい!
山の上の教会で、クライミングってやつは・・・やめられへんなあ!
ってつぶやいてた。
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そして、今日、朝3時から目が覚めた。
結局寝床でパソコンいじって6時には起きだした。
完全な寝不足。
なのに、Tutti Fruttiを登る自信に満ち溢れていた。
天気は快晴!
日差しがきつく、みんなは暑い暑いと言っていた。
でも、僕にはBest condition!大好きなコンディションだ!
全てが整っていた。
ハイキングレストがとても良く効いたのかウォーミングアップがとても軽かった。
手足の痛みは無かった。
毎回巻いていた中指のテーピングも忘れるほどに、何も痛みを感じなかった。
昼の1時前、強烈な日差しを浴びながら僕はTutti Fruttiの核心を超えた。
帰ってきたな。
気持ちいいなあ。
最後の一手、タッチして落ちた。
15日前、4便目で到達した時より力はあったのに・・・
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心・技・体
全てが揃った時に、限界を超えることができる。
僕は体が弱い。
でも、心はもっと弱い。
最後の一手、心が足りていなかった。
自分のふがいなさに、登れない事で初めて涙した。
3秒だけね。
次の瞬間、笑えた。
ぜっ〜た〜い、登る!!!!!!
夕方、課題は日陰になっていた。
僕は15日前、寒さで手が凍えたのを思い出し不本意ながら長袖を着た。
あれだけ重さを気にしていた僕が・・・
3時間半のインターバルは長すぎか?短すぎか?
仲間からアドバイスも受けた。
声援も嬉しかった。
日陰なのに登っていると長袖は暑かった。でも集中力が高まれば暑さはどうでもよくなった。
最後、トラバースを終え最終セクションでパンプは最大になった。
叫びながら、叫びながら、心を落ち着かせていた。
心・技・体
僕にとってクライミングに必要なのは、
絶対に登りたい!っていう熱い熱い気持ちだ!
その情熱が全てを導いてゆく。
(弱い体も、つたない技術すらも・・・)
そして弱い心をぶち破り、Tutti Fruttiを登り切った。
みんなありがとう。
さっ、今からまた新しい課題にトライや!
昨日の深夜から書き始め、寝て、今朝クライミング出発前に書ききったので今日もエンジョイクライミング!
Spain Climbing Tour Report 8 2015/2/11〜
後半戦突入!
以前の記事にも書きましたが、まさかこんなに早くスペインに戻れるなんて・・・
前半戦のある時、こんなに良い岩場、良い課題が、たっぷりあるなんて極楽やなあって思ってた。
また帰ってきたいなあ、とか、もっと登りたいなあ、とか。
ヨネちゃん&かおりちゃんは3月まで居るんやなあ・・・
どんな話をしていたか、覚えていないけれど、
「2月に戻っておいで!」
こんな会話が増えていた。
まゆちゃんも、本気でpushしてくれた。
でも、帰国後、仕事や家のリフォーム実家の工事などなど目白押しの予定だったので、スペインに居る時は戻ってくるなんて有り得ないって断言していた。
1月、日本でフェイスブックに噛り付いて、みんなの登りに触発された僕は、
ヨネちゃんのとある記事に、
「ホンマに2月に戻りたくなってきたあ〜!!!」
って書き込んだ。
すると、まゆちゃんが本気で、
「行っておいで!」
って背中を押してくれた!
ドタバタしながらも、
デボラオンブレス用のトレーニング開始。
ストレッチ、体幹、引きつけ、足上げ腹筋・・・etc
行けるだけボルダー・リードを問わず岩にゆき、近所の公園の鉄棒、雲梯でデボラトレ。
&12月、旨すぎたヨネ飯で2kg太った苦い経験を踏まえ、シェイプアップの為のジョギング+ウォーキング
最後の一週間は、クライミングをほとんどしないまま、デボラトレばかりしていた。
そして、2月11日、日本でやるべき事を全てやり再びスペインへ向かった。
2月17日、Devora Hombres7c+(5.13a)を登りきった!
Spain Climbing Tour Report 7 Summary of Tour the first half
前半のまとめ
2014年12月末は、ジェイダ(レリダ)地方は霧警報が出るほどガスガスだった。
カマラッサの町も朝から晩までドンヨリ霧の下。
オリアナは寒くて、行っても行っても登れない日が多かったようです。
コヴァグランも前半戦はガスに翻弄された。
レスト明けに、寒すぎてブルーシャスに行ってみたり、アベコンに行ってみたり、Barで太陽を待ってみたり・・・
登る気満々の気持ちはどこにぶつければ良いか苛立ち、珍しく登れない事に地団太を踏み、叫んでみたりもした。
そして、12月28日を境に待望の晴れの日がやってきた!
この後、一週間カマラッサ・サンタリーニャは太陽に恵まれた。
元旦、初日の出をカマラッサで拝み、1月5日まで僕はデボラオンブレスに、まゆちゃんはメネオカナリオに取り組みまくった!
2014年、肩の故障の為8ヶ月クライミングを控えた僕にとって、これだけ1本のルートに集中できるなんて夢にも思わなかった。
久々の連続プッシュのせいか2週間を超えたあたりで疲れまくっていたけれど、ラスト2日となる1月4日、
できなかったムーブが繋がり最高到達点に!
まゆちゃんも同時に残り数手でゴールまでこぎつけた!
登れる!
二人とも最終日に望みをかけた。
結果、前日の疲れは想像以上で二人とも最高到達点すら届かなかった。
それでも、最後の最後まで力の限りトライを繰り返した。
もう、なんも残って無かった。
力も、気力も。
でも、登れなかったのに清々しかった。
家に帰って、ゆかさんに、登れなかったって報告したら、
「二人ともいい顔してるよ!」
って言ってもらえた。
確かにニコニコしていた気がする。
登れなかったのに、この充足感はなんとも表現しがたい。
精一杯やったけれど、登れなかった事は悔しい。
でも、これ以上どうあがいても登れない。
出し切ったんや。
クライミングの素晴らしさは、完登だけにあるわけではない。
そんな思いを再確認した。
そんな気持ちで1月6日帰国の途についた。
Spain Climbing Tour Report 6 Cova Gran
Cova Gran(コヴァグラン)について
この岩場は、野球場のドームを半分にカットしたような形状をしている。
その為、温室効果を得て寒い冬の朝ツララができたとしても、昼の日差しがあればドーム内は気温が上昇して裸族で登れる。ある意味ドーム内は観客席であり、見上げれば180度のクライミングショーが繰り広げられている。
そして最も魅力的な点は、岩場の中央に集いやすくクライマー同士がとてもコミュニケーションをとりやすい。スペイン人の人なつっこい人柄も相まっているのだろうが、こんなアットホームな岩場は僕の経験では初めてだ!
ルートはドーム内の壁や天井を這い上がるので、おのずと高難度のルートがひしめきあう。ただし、強傾斜であるがゆえにホールドは他の岩場の同グレードに比べてガバガバのものが多いので、より、スポーツらしくジムナスティックな課題が数多くある。
多分、あらゆる要素が詰まっているコヴァグランに僕は魅了されたのだろう。
グレードは6b+、7aが数少ない5.11のルートが3本。
(ただし、端っこの短いルートなので人気は無い。)
ほとんどのクライマーは7b(5.12b)以上の課題でウォーミングアップを行っている。
上のグレードは9b(5.15b)の2本。(と言っても登ったのはクリス・シャーマのみらしい)
先日、安間君が9a+(5.15a)をレッドポイントする機会に巡り合えた。(彼は、既にもっともっと上の世界に突入しているんだろうと感じる登りだった。)
スペインの中級クライマーから、世界中のトップクライマーが集う中、自分たちはほんの子供のように霞んでしまうのだが、それでもみんな分け隔てなく応援してくれて、仲良くしてくれる。こんな素敵な体験はここ以外ではなかなか考えられない。(みんなとコミュニケーションを取ってくれるのはヨネちゃんならではなのでありますが)
そして、この岩場で前半戦は10日間登り、僕はDevola Hombres7c+5.13(デボラ・オンブレス)にはまってゆくのでした。
Spain Climbing Tour Report 5 目標課題
ツアー前半(12〜1月)の僕のイメージは、肩のリハビリを兼ねて、コヴァグラン、オリアナ、ブルーシャスの3岩場でエンジョイクライミングをする感じだった。
グレードは上げずにのんびり沢山のルートを登ろう!
確かに、最初の数日間は順調にエンジョイクライミングだったが・・・、最初のレスト明けあたりから雲行きが怪しくなってきた。(天気もほんとにスッキリしなかった。)
とにかく、カマラッサ、バラゲールの町も到着から一週間朝から晩までガスの下。
しまいにはコヴァグランもガスの下で、気温は6〜8℃アプローチには霜が降り水溜りは氷っている。
オリアナは雲の中、ブルーシャスもどんより雲の下・・・
めっちゃ寒いやん!
エンクラどこいったんやあ〜!
どこが暖かいね〜ん!
ここは霧の都ロンドンか〜!!
スペインに連れてって〜!!!
とか、なんとか好き勝手言いながら・・・
青空を待つも、お天道様はなかなか顔を見せてくれない。
そんな中、モチベーションの高いかおりちゃんに刺激され、寒いコヴァグランでMeneo Canario7b(5.12b)をレッドポイントする事ができた。
こうなると、寒かろうが登れるコヴァグランで修業モード突入!
完全にエンクラモードは吹き飛んだ。
そして、Air line7b+(5.12c)を経てDevora Hombres7c+(5.13a)に魅了されていった。
最初に触った時は、ガバガバですぐ登れるやん!
って感じたのに、出だしのデッドポイント(僕にとってはランジ)が何度やっても止まらない。
楽勝から、躍起になってゆく・・・
他にも米山家から勧められていた12台もあったのだが、Devoraに集中!
時を同じくして、まゆちゃんはMeneo Canarioに集中していくのであった!
Spain Climbing Tour Report 4 Oliana
オリアナについて・・・
スペインに着いて3日目に行った岩場がオリアナ。
結果的に今回はオリアナ組に、原っさん、ツッチー、ゆかさん、ゆみちゃん
サンタリーニャ組に、ヨネちゃん&カオリちゃん夫婦と森夫婦となった。
初めて行ったオリアナは、ほんの数十分太陽が照り付け、クライミング2日目にして早速裸族出動!
と、思いきや・・・
僕のアップ頃にはガスが・・・
寒い・・・冷たい・・・
とりあえず、Maronsita7a(5.11d)は無事オンサイトしたが、寒くて居られない。
寒がりな、ヨネちゃん、まゆちゃん&僕は、即クライミング終了宣言。
オリアナ組到着と入れ替わって岩場を退散。
今回2014年12月から2015年1月にかけて、オリアナの岩場は異常なほどガスがはびこっていたらしい。
天気予報は晴れなのだが、雲が低く垂れこめている時は極寒。
少し標高の高いオリアナの岩場は雲が下まわればピーカンで登るには暑くなり、本気トライは夕方に・・・
雲の中に入ったら最後。寒い、見えない状態。
オリアナ組はガスに翻弄されまくっていた。
たった1本で岩場をあとにした僕たちサンタリーニャ組は、隣の小国、アンドラ公国にてお買い物。
オリアナから車で約2時間。
3日目にしてお隣の国に行ったもののスペインと何が違うのかわからないほど小さな国だった。
追加
結局前半のツアー(12月〜1月)中、サンタリーニャ組がオリアナで登ったのはこの1日のみ。
僕ら夫婦にいたってはMaronsita1本のみとなった。
後日、大晦日レスト日を利用してオリアナ組の登りを応援しに行った時は、快晴で心地よかった!
この日は奥村ファミリーもオリアナにてクライミング。
ゆう君がマインドコントロール8c+(5.14c)を3撃でRP!
恐るべし中学1年生(13歳)!
近い将来、間違いなく世界のトップクライマーになるだろう!
Spain Climbing Tour Report 3 各岩場
Report2をアップして、見直してから思いました。
これじゃあ日記だ!
こんなペースじゃレポート終わらない・・・
って事で、行ったエリアの紹介。
Camarasa(カマラッサ)から北西にある車で約40分の小さな町Santa Linya(サンタリーニャ)にある2つの岩場
Report2で紹介したので写真は省略。
Cova Gran(コヴァグラン)
70本以上のハードルートがひしめき合うケイブ。
日当たりが良く真冬でも日が当たれば裸で登れる最高の岩場、ドッカブリ好きにはたまらない。
一応6b+(5.11a)、7a(5.11d)の2本のルートが端っこにあるが、実質的なアップは7b(5.12b)からという上級者エリア。
5.14や5.15を目指すクライマー達が集う。
Footboolin(フットボーリン)
薄被りの小ぶりな岩場
6b+(5.11a)からの初中級エリア。
ただし、傾斜の無い5.12台は厳しいらしい。
Camarasa(カマラッサ)から北東にある車で約50分の町Oliana(オリアナ)のはずれにある山の麓の岩場
Oliana(オリアナ)トポにはContrafort deRumbauと細かいエリア名が記されている。
世界最難課題9b+(5.15c)のデュラデュラがある世界屈指の岩場
長さ50mに及ぶルートは壮観!薄被りから120°程の被りであろうか?
コヴァグランで登った後に登ると緩く感じるが、降りてくると取り付きから結構離れている。
フランスのセユーズの岩場に似ているが、パーキングから取り付きまで僅か7分程。
眺望は随一!
Camarasa(カマラッサ)から北にある車で約30分のTerradets(テラデッツ)というでかいエリアその中のスポートルートのエリア
Bruixees(ブルーシャス)トポにはParet de les Bruixesと表記されている
テラデッツと言えばブルーシャス・・・らしい。
ダムの道路脇に駐車してハシゴを上がり取り付きまで約10分。
5.12台、5.13台が充実のエリア、やさしい6a+(5.10c)からアップできる。
壁の規模は長さ30mほどだが、登り応えは十分に感じれそう。
週末は家族連れも多くアットホームな雰囲気でした。
ブルーシャスが寒くて、一度だけ行ってみた岩場。Camarasa(カマラッサ)から北に車で約1時間強。
Abella de la Conca(アベラ・デ・ラ・コンカ)勝手にアベコンって呼んでます。
アルパイン的なエリアが多いのか、スポートルートも垂壁以下の傾斜が多かった。
そんな中、格好良いブリッジの写真につられて行った岩場。
パーキングのすぐそばにもルートはあったが、トポにアプローチ20分と書かれていたブリッジへ!
実際は1時間ほど山を登ったのかな?慣れれば30分ほどで行けそう。
ロケーションは最高!
ただし、登りたくなるルートが難しく、通いこむには遠すぎるので、もう行く事は無いでしょう(笑
Spain Climbing Tour Report 2 初日
スペイン初日は原っさんツッチーお出迎えでカマラッサに移動。
カマラッサの10分程手前の街Balaguer(バラゲール)でお買い物。
家に到着したのは18時半ぐらい。
部屋割り、荷物整理の後はみんなで20時からBar(バル)にて最初の晩餐!
スペインのBarっていうのは頑ななまでに20時からしか料理(夕食)を出さないそうな・・・
とりあえずEspañaに乾杯!
二日目から待望のClimbing!!!
最初に行った岩場は、Santa-Linya(サンタリーニャ)という小さな町にある、
Cova Gran(コヴァグラン)!
でっかいケイブ(洞窟)!(Big Cave)
ネアンデルタール人の遺跡発掘場所であるが、寛容なことにクライミングを許可してくれているそうな・・・
駐車場の看板の裏に・・・(日本なら怒られるなあ、スペイン最高!)
駐車場から歩いて7分ほど。
でかかった!(デカ過ぎて写真では伝わりにくい・・・)
最初に見て感激した!
ここに来るために来たんやあ!!!
着いていきなりAir Lineのスタート数手を普通の靴のまま登ったら、石灰岩なのにツルツルじゃない!!!
増す増す嬉しくなった!!!
でも、初日はガスの下。
寒い。
しかも、この岩場基本的に5.12b以上からアップするらしい・・・
って、事で車で5分ほどのFoot Boolinに移動!
その名の通りサッカー場の横にある小さな岩場。
でも、アップは5.11aから!
薄被りでガバガバ、幸先良くオンサイト!
次に、Spanglish7a+(5.12a)、オンサイト!?できなかった・・・。
全く粘らず、適当に手を出したら落ちた(当たり前か)
でも、サクっと二撃!
2本登って、とっととコバグランに舞い戻る。
Air Line7b+(5.12c)
とりあえずテンテンだけれど、憧れの岩場で登れて初日は大満足。
あっという間に日暮れが来て、Balaguer(バラゲール)の街で買い物して帰宅!
今回(12-1月編)のツアーは、森家、米山家と共に、原っさん、ツッチー、ユカさん、ユミちゃんの8人で家をシェアしたのだが、基本的に晩餐はヨネちゃんsheffがほとんど一人で作成。
なんでかっていうと・・・
ヨネ飯(よねめし)最高に旨い!!
そんじょそこらの、Bar(バル)や飯屋に行くより格段に旨い!
この後3週間、ほとんどヨネちゃんに依存。感謝!
Spain Climbing Tour Report 1 Introduction
10年以上前から気になっていたスペインへのクライミングツアーにやっと旅立つことが出来た。
2014年12月は年越しの3週間のツアーだった。
しかし、あまりの素晴らしい岩場&環境ゆえ、帰国後焦がれる思いの強さに突き動かされた為、色々な予定を変更して1ヶ月のインターバルでスペインカマラッサに舞い戻った。
2月からは1ヶ月のツアー。
結果的に3ヶ月の間に一時帰国して日本で5週間のレストを得れた形となった。
前半のレポートそっちのけで急遽決まった後半のツアー準備に勤しんでいたので、一時帰国の間まったくレポートをアップしていなかった。
これからレストの日を利用してレポートを綴っていきます。(ツアー中にどれだけアップできるか怪しいですが・・・)
12月19日からスペイン入り
今回訪れた岩場は、カタルーニャ地方リェイダ県(レリダ、ジェイダとも言う)にある、
サンタリーニャ(コバ・グラン&フットボーリン)
オリアナ
アベコン
テラデッツ(ブルーシャス)残念ながら見学だけ
以上4カ所
バルセロナから約2時間圏内の片田舎。
滞在していたのはCamarasa(カマラッサ)という小さな集落の一軒家。
最初は8人の大所帯。
カマラッサからは各岩場が車で30分〜50分圏内という超便利な町である。
全てはこの町から始まったのである!
カマラッサ最高!
一つの目標
年末年始のツアーでは、あと少しで登れなかったコバグランにあるデボラ・オンブレス7C+(5.13a)というルート。
出し切った満足感と、何とも表現しがたい登りきりたい気持ち(いわゆる悔しさとはチョッと違う)。
今回のツアーのきっかけというか、一つの目標、
本日、登れました!!!
みんな、みんな、ありがとう!!!
日本での努力も報われました、そしてやっとリハビリが一段落した実感を得ました。
しかも、初日に触つた感触で想像した通りの日数で登り切れた事も自分のクライミングのピントが合いだした気がします。
前日僕はレストで、同じコバグランの伊藤ヒデの集中した登りをビレイさせてもらった事も今日のクライミングに大きく影響したかもしれません。
新たな目標!明日からは、前回触れなかったルートに挑んでいきます!
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