3月, 2015年

4月からスクール再開します!

2015-03-31

皆さん長い間お待たせいたしました!
4月からスクール再開します。

12月からのスペインツアー、
1月ほんの少しの講習
2月に満6周年を迎えた事も忘れ、チケット取りと色んな調整に奔走
3月、半月前に帰国後も、自身の登りに集中

スペインでは、自分の判断の甘さ、対処の甘さから、10m以上のフォールをしロープに足を絡め打撲を負いました。
ビレイに対する油断も感じました。
ルート1本1本に集中しなければ登れない事も、今更ながら再認識。
そして、たくさんの素晴らしい課題とクライマーに学びました。

全ては当たり前の事なのかもしれませんが、少しの油断、慢心、過信が時には取り返しのつかない結果を招きます。
僕自身、理解しているつもりがpushし続けていない間に、胡坐をかいていたのだと気づきました。

これから、油断が無いかと問われれば、いつでも完璧ですとは決して言いきれません。
ただ、インドア、アウトドア、ルート、ボルダー問わず、課題や、岩と対峙する事に、今まで以上に真摯に向き合う事は誓えます。
それは、人がトライしていても自分が登っていても同じ。
簡単に登れる課題も、低いグレードの課題も、油断や慢心が伴うと簡単に足元をすくわれてしまう。

もちろん何より楽しむ事を一番に!

安全に

そしてPUSHし続ける。

BBFの名前の意味は、尋ねられたお客様に伝えてはいましたが、まさに僕への戒めです。

”be Blue in the Face”

直訳すると、
”顔が青くなる”
20年前、勤めていた会社のFishig Teamに名前をつける時、辞書で見つけた慣用句。

”顔が青ざめるほど未熟者”

Fには、Face、Fishing、Free-climbingを内包させてBBFとしました。

すぐに調子に乗って天狗になってしまう、僕への戒めです。

7年目を迎えたBBF Climbing Schoolまだまだ未熟者ですが、よりClimbingを楽しむために一緒に登りまくりましょう!!!

今年は平日アウトドアをメインに依頼をお待ちしていますので、よろしくお願いいたします!

備中 ニューエリア 2015-②

2015-03-31

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2015/03/27(金)〜28(土)
先週末は金〜日曜3日間の変則パターンで岡山県備中に入りました。

金曜ニューエリは貸切!
ポカポカ陽気で久々に誰もいない静かな岩場を満喫。
沢山のクライマーと情報交換したり応援してくれる休日も良いですが、たまには仕事を休んで岩を独り占め(二人占め?)するのも超オススメですねえ!!!

金曜は”神楽坂”5.12aを快適にRP

土曜も好天気。
その割にクライマーは9人。
金曜から土曜にかけて、二度目の春5.11cを4便かけてRP。
しびれるClimbingを体感。

日曜は朝の小雨、体の疲労の結果、磐窟渓(いわやけい)を見学して退散。

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”二度目の春”は、4年半前に触り余りの悪さにそれっきり保留にしていた課題。
今回、スペインツアーを経て無性に登りたくなった。

磨き抜かれた石灰岩はスタンスもホールドもツルツル。
初めて触った時は5.11bと表現されていたのだけれど、かなり悪くなったのだと想像できる。
時間帯によっては、テカテカと光るホールドが保持できず2pin目のクリップすらままならない。
つまり、たぐって滑ったら即地面。

以前、どうしてもできなかった核心も、丁寧にバランスを探してもピタっと決まらない。

怖くて、悪くて・・・

けれども、集中する事はとても大事。

危険なクリップを避け時を待ち、冷えた岩にトライ。
2pin目も安定してクリップ。

核心はオフバランス、手も足もデッドで爆発的な力を振り絞る。
力尽きフォールしたものの核心をクリア。

ああ、この感じだよなあ・・・

綺麗に安定するにこしたことは無いけれど、オフバランスでも力で押さえ手足を動かし続ける。
ほとんど落ちている態勢でも手足を先へ進める。
ほんの少しでも止まっていたらこっちのもの!

最終便では風邪と疲労で体はヨレていたけれど、集中力でレッドポイント!
奥さんいわく、力のあった3便目より明らかに疲れた動きなのに、足の安定感ムーブの安定感は上回っていたようだ。

怖い課題も、悪い課題も、色んな工夫をして、綺麗であろうとオフバランスであろうと、ムーブを見極め集中すれば結果が伴う。

グレードに関係なく危険なルートも内容の濃いルートもさまざま。
僕は”二度目の春”を人に勧める事は無いだろう。

ルートとの出会いは人それぞれ。

ただ、また、こんな気持ちにさせてくれるルートに出会いたい。

スペインツアー終了

2015-03-17

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昨晩、無事帰国しました。
今度こそホンマにツアー終了です。

スペイン滞在32日、クライミング可能な29日のうち19日登ることができました!
中盤、疲れ果ててしまい7日間で2日しか登れない時もありましたが、
終盤11日間で9日登れたのは、登りたい!っていう気持ちが体を支えてくれました。

最終的には4つの目標の、最後の8a(5.13b)の完登は果たせませんでした。
結果的に今回は、登りたい8aを探すツアーとなったのかもしれません。
もちろんそれだけではないですが、おかげ様で良いルートに出会うことができました。
未だ、まとまなトライはできていませんが、いつの日か必ずそのルートを登りたい!

前篇のツアーでは純粋にトライできる喜びと出し切った清々しさを感じた。

今回の後編は、
登りたいルートへの集中力、達成感、登りきる事の難しさ、不甲斐無さ、喜び
目標の設定、危険の判断、墜落の処理、恐怖心、疲労とのバランス、慢心

色んな事を痛感した。
体に痛い事も味わった。
自分ではわかっていたはずの事も改めて思い知った。
若い時は力尽くで押し切れた事も今はできない事も知った。

色んな事が足りていないと感じ、全てがとても大事に感じた。

今はただ、ひたすら登ろう!

そして、今回目標設定以外に得る事ができたものがあります。
ある意味目標を達成する事以上に大切に思ったのが、
前後編通じて、あらゆるクライマーとの交わりでした。

仲間、地元の人、トップレベルの人、プロの人、初級、中級、上級
レベルを問わずに全てのクライマーの真剣な思いや、純粋に登る姿が、色んな事を教えてくれた。
強い人も、弱い人も、上手い人も、下手な人も。

クライミングは人それぞれ色んなスタイルがある。
どんな登りをするかは人それぞれ。
でも、間違いなく共通しているのは登りたいという一心。

自分を見据え、努力をいとわず、一心不乱に登った人達が完登の喜びを得る。
そして間違いなくそれに満足せず、次の挑戦を始める。

そのルートを登りたいと思う強い心が、困難を可能にする。

あまりにもいいものを沢山まのあたりにした。
自分にとって、良い事も悪い事も、全てが僕の血となり肉となり糧となる。

全てのクライマーに感謝します!
そして支えてくれた全ての人に、ありがとうございました!

僕にとってのクライミング

2015-03-08

今回のスペインツアーは、色んな思いが詰まっている。

特に今日のクライミングから感じた事は僕にとって余りにも大きかったので、以下に記すのははツアーレポートというより日記のようなものです。

ツアー後編に際して、僕は四つの目標を立てた。

1.デボラ・オンブレス7c+(5.13a)の完登
2.前半のツアーで触る事のできなかったルートへのトライ
3.ブルーシャスでのクライミング
4.8a(5.13b)の完登

最初の目標は後半のツアーのきっかけともなったデボラを登りたくて日本でのトレーニングに励んだ結果、クライミング4日目に成し遂げた。

そのおかげで二つめの目標も達成している。
デボラ完登で余裕ができた為、前半で聞いていたお勧め課題を何本もトライする事ができたのである。

三つめの目標、ツアー中盤の13日目(クライミング9日目)にブルーシャスでのクライミングを行う事ができてクリアした。

しかし、ブルーシャスで目論んでいた8a(5.13b)へのトライはトップアウトさへままならず、未だに達成されていない。

 ここまで書くと後半のツアーが順調にすすんでいるように感じられる方もいるだろう。
しかし、僕にとって順調とは程遠い中盤を過ごしていた。

それは、後編ツアー(2月〜3月)のクライミング初日、オリアナにあるTutti Frutti7c+(5.13a)との出会いが引き金となったのかもしれない。
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話に聞くところによると、Tutti Fruttiは僕の尊敬する女性クライマーがオンサイトを成し遂げている。
僕もオンサイトを狙ったが核心で敢え無くフォール(墜落)。
二便目は惨憺たるものだった。

その後、デボラを完登して晴れ晴れとした気持ちで2回目のオリアナに出向いた。
その日は仲間3人とTutti Fruttiをトライ!同じルートを一緒にトライできるなんてめっちゃ嬉しかった。
2巡目、仲間がTutti Fruttiをレッドポイントした。
僕も2巡目、実質3回目のトライ(その日一便目は探りに上がったので通算4便目)で、まさかの核心を抜ける事ができた。

よし、登れる!

仲間と同じ日に同じルートをダブルレッドポイントをできるなんてめっちゃ幸せだと思っていた。
核心を超えてから凍える手を温めながら高度を稼ぐ。
しかし、最終ヌンチャクにクリップしたあたりで手のパンプが一気に進む。
手のシビレだけでなく全身が麻痺し始めていた。
レストする度に、体が麻痺してゆく。

「落ちるかもしれないけれど突っ込みます!」
って叫んでいた。

痺れた体は動いてくれた。
終了点を掴んでいた。
右手でロープを持ちたかったが、無理だと判断して右手もホールドを掴んだ。
僕は両手を終了点に到達させていた。

ただ、その時なんの力も残っていなかった。
ロープを触る事すらなく瞬時にフォール。

あ”--------------------っっっ!!!

登れた・・・のか?
確かに終了点に到達したが完登(レッドポイント)していない・・・

僕は核心を超えた時、登れると思い喜んでいた。
デボラを登った事で、自分が調子が上がっていると喜んでいた。
そう、僕は調子に乗っていた。
しかしそれは簡単に手から滑り落ちるほどのちっぽけな自信だった。

30mのルートの終了点からロワーダウンしている時に、1本1本の指に心臓があるかのように血の流れを感じた。
長いロワーダウン、最初は悔しさ、口惜しさ、無念さで自分に対してあきれ顔だった。

また登らなければならない・・・
いや、また登る事が出来る・・・
登れていたら当面触らないだろうが、またチャレンジする機会をもらった。
これからのよりハードな登りへの持久力トレーニングになるはず。

ロワーダウンが終わるころ僕は笑顔に変わり地上に降りた。
That’s climbing!

次回、必ず完登する!と信じていた。

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その後の一週間、Tutti Fruttiはさて置き、他の岩場で色んな課題をトライしていったのだが、7a+(5.12a)以上の課題が登れない状態にはまっていった。色んな課題を触り疲れも溜まっているのだろうと思っていたが、極めつけはある日の最終便に現れた。
それは7a+(5.12a)のルートだったのだが、疲れ果て、手も足も痛くて全てのクリップでテンション。ガバを持ってもテンション。何をやってもテンション。

それから数日、僕の手足は熱く、痺れが治らなかった。
完全にオーバーユース、使いすぎ。

それでも、登り続けたい思いは僕をジョギングに駆り出し、体幹トレーニングに没頭させ、12月に59kgあった体重は54.9kgまで落とす事ができた。

力の弱い僕は今回のツアーで極限まで体重を落とそうとしていた。スノーボードに没頭していた8年前の最低体重は53kg、これが目標だった。
登りの日は、岩場に煙草も持って行かなかった。
ヨネちゃんの作ってくれる晩御飯も、12月とは打って変わって高タンパク、低カロリーに徹していた。それでも美味しいのだからヨネ飯恐るべし。
そんなヨネ飯すら食べるのを控えた。
普段必要と感じていないBCAAも登った直後は投入しまくり、足りると思っていたBCAAをツアー半ばにして1瓶空けてしまった。
(幸い、3月から参加した仲間に依頼して補充できた。)

僕はエンジョイクライマーである。
ストイックなクライミングをしていない。登りたい時に登り、疲れたら休む。
もちろん登りたいルートに出会うと夢中になる。頻繁に通いこむ事も多々ある。
それでも自分はストイックなクライミングをした思いが無い。

しかし、登りたいという思いはあらゆる手段を講じたくなるのだと初めて感じた。

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2日間レストを取り、腫れ上がった手は治まらなかったが8日振りにTutti Fruttiを探りに上がった。
体は軽い。動きも良い。テンションを入れながらのムーブの確認でキレも感じ、間違いなく登れると思った。

トライ通算4便目(実質6便目)、つなげて登ると核心入口でフォール。

手足の痛みは止まない。
その日はたった1トライでクライミングを止め、また2日間レスト。

7日間で2日しか登らず。
それでも尚、手足の痛みは癒えない。
僕には休養が必要だ。

そしてレスト明け、コヴァグランで目標のハード課題へのトライ。
2便出し、ボコボコに敗退。
他の課題も敗退、敗退。
手足の痛みが集中力を低下させていた。

翌日も休むつもりだった。
残り日数を考えると、ハード課題や目標の8aはほど遠いと感じていた。
ある意味落ち込んで、スネていた。

レストのつもりで深夜ヨネちゃんの過去ブログの読み返し、楽しくて眠れず、朝食後爆睡していた。
しかし、突然タルタレウの岩場に行くで!って起こされた!
運転手して!って。

いやいや、俺はレストが必要やねん!運転どころか20時間ぐらい寝る!
ん?タルタレウ?
行った事ない岩場。
行く行く!
・・・・・・
ん、登る登る!!!

もう食べたいだけ食べて、岩場でも吸いたいだけ煙草も吸った。

易しい課題を6本オンサイトした。
手足は痛かった。でも豆も削り痛みは減りだしたのを感じた。
とても、とても楽しかった!

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翌日、3日連続となってしまうがオリアナに赴いた。
休みが必要なはずなのに。
でも、Tutti Fruttiを2便出した。
全然登れなかった。

その翌日、レストを利用して一人で3時間半ハイキングをしながら考えた。

僕は、Tutti Fruttiに対して絶対登りたいって思っていなかったのかもしれない。
安易に登っていた。
一度全てのムーブを通して登った時に、モチベーションを失っていたのかもしれない。
間違いなく、もっと上のグレードを登りたがっていた。

現実はもっと真剣にトライしないとTuttiは登れない。
上のグレードより、やるべき課題は山ほどある。

ああ、ああ、Tutti Fruttiを絶対に登りたい!

山の上の教会で、クライミングってやつは・・・やめられへんなあ!
ってつぶやいてた。

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そして、今日、朝3時から目が覚めた。
結局寝床でパソコンいじって6時には起きだした。
完全な寝不足。
なのに、Tutti Fruttiを登る自信に満ち溢れていた。

天気は快晴!
日差しがきつく、みんなは暑い暑いと言っていた。
でも、僕にはBest condition!大好きなコンディションだ!

全てが整っていた。
ハイキングレストがとても良く効いたのかウォーミングアップがとても軽かった。
手足の痛みは無かった。
毎回巻いていた中指のテーピングも忘れるほどに、何も痛みを感じなかった。

昼の1時前、強烈な日差しを浴びながら僕はTutti Fruttiの核心を超えた。

帰ってきたな。
気持ちいいなあ。

最後の一手、タッチして落ちた。
15日前、4便目で到達した時より力はあったのに・・・

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心・技・体

全てが揃った時に、限界を超えることができる。

僕は体が弱い。
でも、心はもっと弱い。
最後の一手、心が足りていなかった。

自分のふがいなさに、登れない事で初めて涙した。
3秒だけね。
次の瞬間、笑えた。

ぜっ〜た〜い、登る!!!!!!

夕方、課題は日陰になっていた。
僕は15日前、寒さで手が凍えたのを思い出し不本意ながら長袖を着た。
あれだけ重さを気にしていた僕が・・・

3時間半のインターバルは長すぎか?短すぎか?

仲間からアドバイスも受けた。
声援も嬉しかった。

日陰なのに登っていると長袖は暑かった。でも集中力が高まれば暑さはどうでもよくなった。

最後、トラバースを終え最終セクションでパンプは最大になった。
叫びながら、叫びながら、心を落ち着かせていた。

心・技・体

僕にとってクライミングに必要なのは、
絶対に登りたい!っていう熱い熱い気持ちだ!
その情熱が全てを導いてゆく。
(弱い体も、つたない技術すらも・・・)

そして弱い心をぶち破り、Tutti Fruttiを登り切った。

みんなありがとう。

さっ、今からまた新しい課題にトライや!

昨日の深夜から書き始め、寝て、今朝クライミング出発前に書ききったので今日もエンジョイクライミング!

Spain Climbing Tour Report 8 2015/2/11〜

2015-03-07

後半戦突入!

以前の記事にも書きましたが、まさかこんなに早くスペインに戻れるなんて・・・

前半戦のある時、こんなに良い岩場、良い課題が、たっぷりあるなんて極楽やなあって思ってた。
また帰ってきたいなあ、とか、もっと登りたいなあ、とか。
ヨネちゃん&かおりちゃんは3月まで居るんやなあ・・・

どんな話をしていたか、覚えていないけれど、
「2月に戻っておいで!」
こんな会話が増えていた。
まゆちゃんも、本気でpushしてくれた。

でも、帰国後、仕事や家のリフォーム実家の工事などなど目白押しの予定だったので、スペインに居る時は戻ってくるなんて有り得ないって断言していた。

1月、日本でフェイスブックに噛り付いて、みんなの登りに触発された僕は、
ヨネちゃんのとある記事に、
「ホンマに2月に戻りたくなってきたあ〜!!!」
って書き込んだ。
すると、まゆちゃんが本気で、
「行っておいで!」
って背中を押してくれた!

ドタバタしながらも、
デボラオンブレス用のトレーニング開始。
ストレッチ、体幹、引きつけ、足上げ腹筋・・・etc
行けるだけボルダー・リードを問わず岩にゆき、近所の公園の鉄棒、雲梯でデボラトレ。
&12月、旨すぎたヨネ飯で2kg太った苦い経験を踏まえ、シェイプアップの為のジョギング+ウォーキング

最後の一週間は、クライミングをほとんどしないまま、デボラトレばかりしていた。

そして、2月11日、日本でやるべき事を全てやり再びスペインへ向かった。

 

2月17日、Devora Hombres7c+(5.13a)を登りきった!

また、次の目標へ向けての日々が続く。
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Spain Climbing Tour Report 7 Summary of Tour the first half

2015-03-07

前半のまとめ

2014年12月末は、ジェイダ(レリダ)地方は霧警報が出るほどガスガスだった。
カマラッサの町も朝から晩までドンヨリ霧の下。
オリアナは寒くて、行っても行っても登れない日が多かったようです。

コヴァグランも前半戦はガスに翻弄された。
レスト明けに、寒すぎてブルーシャスに行ってみたり、アベコンに行ってみたり、Barで太陽を待ってみたり・・・
登る気満々の気持ちはどこにぶつければ良いか苛立ち、珍しく登れない事に地団太を踏み、叫んでみたりもした。

そして、12月28日を境に待望の晴れの日がやってきた!
この後、一週間カマラッサ・サンタリーニャは太陽に恵まれた。
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元旦、初日の出をカマラッサで拝み、1月5日まで僕はデボラオンブレスに、まゆちゃんはメネオカナリオに取り組みまくった!
2014年、肩の故障の為8ヶ月クライミングを控えた僕にとって、これだけ1本のルートに集中できるなんて夢にも思わなかった。

久々の連続プッシュのせいか2週間を超えたあたりで疲れまくっていたけれど、ラスト2日となる1月4日、
できなかったムーブが繋がり最高到達点に!
まゆちゃんも同時に残り数手でゴールまでこぎつけた!

登れる!

二人とも最終日に望みをかけた。

結果、前日の疲れは想像以上で二人とも最高到達点すら届かなかった。
それでも、最後の最後まで力の限りトライを繰り返した。

もう、なんも残って無かった。
力も、気力も。

でも、登れなかったのに清々しかった。

家に帰って、ゆかさんに、登れなかったって報告したら、
「二人ともいい顔してるよ!」
って言ってもらえた。

確かにニコニコしていた気がする。

登れなかったのに、この充足感はなんとも表現しがたい。

精一杯やったけれど、登れなかった事は悔しい。
でも、これ以上どうあがいても登れない。

出し切ったんや。

クライミングの素晴らしさは、完登だけにあるわけではない。
そんな思いを再確認した。

そんな気持ちで1月6日帰国の途についた。

Spain Climbing Tour Report 6 Cova Gran

2015-03-03

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Cova Gran(コヴァグラン)について

 
この岩場は、野球場のドームを半分にカットしたような形状をしている。

その為、温室効果を得て寒い冬の朝ツララができたとしても、昼の日差しがあればドーム内は気温が上昇して裸族で登れる。ある意味ドーム内は観客席であり、見上げれば180度のクライミングショーが繰り広げられている。
そして最も魅力的な点は、岩場の中央に集いやすくクライマー同士がとてもコミュニケーションをとりやすい。スペイン人の人なつっこい人柄も相まっているのだろうが、こんなアットホームな岩場は僕の経験では初めてだ!

ルートはドーム内の壁や天井を這い上がるので、おのずと高難度のルートがひしめきあう。ただし、強傾斜であるがゆえにホールドは他の岩場の同グレードに比べてガバガバのものが多いので、
より、スポーツらしくジムナスティックな課題が数多くある。

多分、あらゆる要素が詰まっているコヴァグランに僕は魅了されたのだろう。


グレードは6b+7aが数少ない5.11のルートが3本。
(ただし、端っこの短いルートなので人気は無い。)

ほとんどのクライマーは7b(5.12)以上の課題でウォーミングアップを行っている。
上のグレードは9b(5.15)の2本。(と言っても登ったのはクリス・シャーマのみらしい)
先日、安間君が9a+(5.15a)をレッドポイントする機会に巡り合えた。(彼は、既にもっともっと上の世界に突入しているんだろうと感じる登りだった。
)

スペインの中級クライマーから、世界中のトップクライマーが集う中、自分たちはほんの子供のように霞んでしまうのだが、それでもみんな分け隔てなく応援してくれて、仲良くしてくれる。こんな素敵な体験はここ以外ではなかなか考えられない。(みんなとコミュニケーションを取ってくれるのはヨネちゃんならではなのでありますが)

そして、この岩場で前半戦は10日間登り、僕はDevola Hombres7c+5.13(デボラ・オンブレス)にはまってゆくのでした。

Spain Climbing Tour Report 5 目標課題

2015-03-02

ツアー前半(12〜1月)の僕のイメージは、肩のリハビリを兼ねて、コヴァグラン、オリアナ、ブルーシャスの3岩場でエンジョイクライミングをする感じだった。
グレードは上げずにのんびり沢山のルートを登ろう!

確かに、最初の数日間は順調にエンジョイクライミングだったが・・・、最初のレスト明けあたりから雲行きが怪しくなってきた。(天気もほんとにスッキリしなかった。)
とにかく、カマラッサ、バラゲールの町も到着から一週間朝から晩までガスの下。
しまいにはコヴァグランもガスの下で、気温は6〜8℃アプローチには霜が降り水溜りは氷っている。
オリアナは雲の中、ブルーシャスもどんより雲の下・・・

めっちゃ寒いやん!

エンクラどこいったんやあ〜!

どこが暖かいね〜ん!

ここは霧の都ロンドンか〜!!

スペインに連れてって〜!!!

とか、なんとか好き勝手言いながら・・・
青空を待つも、お天道様はなかなか顔を見せてくれない。

そんな中、モチベーションの高いかおりちゃんに刺激され、寒いコヴァグランでMeneo Canario7b(5.12b)をレッドポイントする事ができた。
こうなると、寒かろうが登れるコヴァグランで修業モード突入!
完全にエンクラモードは吹き飛んだ。

そして、Air line7b+(5.12c)を経てDevora Hombres7c+(5.13a)に魅了されていった。

最初に触った時は、ガバガバですぐ登れるやん!
って感じたのに、出だしのデッドポイント(僕にとってはランジ)が何度やっても止まらない。
楽勝から、躍起になってゆく・・・

他にも米山家から勧められていた12台もあったのだが、Devoraに集中!

時を同じくして、まゆちゃんはMeneo Canarioに集中していくのであった!
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Spain Climbing Tour Report 4 Oliana

2015-03-01

オリアナについて・・・

スペインに着いて3日目に行った岩場がオリアナ。
結果的に今回はオリアナ組に、原っさん、ツッチー、ゆかさん、ゆみちゃん
サンタリーニャ組に、ヨネちゃん&カオリちゃん夫婦と森夫婦となった。

初めて行ったオリアナは、ほんの数十分太陽が照り付け、クライミング2日目にして早速裸族出動!
と、思いきや・・・
僕のアップ頃にはガスが・・・
寒い・・・冷たい・・・
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とりあえず、Maronsita7a(5.11d)は無事オンサイトしたが、寒くて居られない。
寒がりな、ヨネちゃん、まゆちゃん&僕は、即クライミング終了宣言。
オリアナ組到着と入れ替わって岩場を退散。
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今回2014年12月から2015年1月にかけて、オリアナの岩場は異常なほどガスがはびこっていたらしい。
天気予報は晴れなのだが、雲が低く垂れこめている時は極寒。
少し標高の高いオリアナの岩場は雲が下まわればピーカンで登るには暑くなり、本気トライは夕方に・・・
雲の中に入ったら最後。寒い、見えない状態。
オリアナ組はガスに翻弄されまくっていた。

たった1本で岩場をあとにした僕たちサンタリーニャ組は、隣の小国、アンドラ公国にてお買い物。
オリアナから車で約2時間。
3日目にしてお隣の国に行ったもののスペインと何が違うのかわからないほど小さな国だった。

追加
結局前半のツアー(12月〜1月)中、サンタリーニャ組がオリアナで登ったのはこの1日のみ。
僕ら夫婦にいたってはMaronsita1本のみとなった。

後日、大晦日レスト日を利用してオリアナ組の登りを応援しに行った時は、快晴で心地よかった!
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この日は奥村ファミリーもオリアナにてクライミング。
ゆう君がマインドコントロール8c+(5.14c)を3撃でRP!
恐るべし中学1年生(13歳)!
近い将来、間違いなく世界のトップクライマーになるだろう!


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