Instructor Diary

ギリシャ カリムノスツアー③

2017-10-03


多くの人が滞在の拠点にMasouriマスーリを利用しているようだが、歩いて行くクライミングのメインエリアとなっているのはマスーリから北に延びるArmeosアルメオス周辺の岩場のようだ。
マスーリからだと、2階にジェラート屋(めちゃウマ)のあるマイクのバイク屋からPoetsに向かうアプローチと、10分ほど北のPhiloxenia Hotelの横からG・G(GrandeGrotta)に向かうアプローチの2本がある。
2本とも入口から岩場まで坂道を15分前後登ると岩の取り付きに至る。

岩場は南はPoetsから北のSpartacusまで大まかに分けて10エリアが1枚の壁のようにつらつらと並んでいる。
Poets周辺は傾斜が寝ている壁が多いので、南半分のPoets、Iannis、Kalydna、Ivory Tower、Stankillは偵察だけで今回は登らず。
逆に北の、Spartacus、Spartan Wall、Afternoon、GrandeGrotta、Panoramaをメインに登った。

ついでに、Spartacusから奥に20分ほどのJurassicParkも行ってみたがアップ課題のグレードの激辛さに参ってしまい登ったのは1本だけ。

ちょっと北に離れたアプローチになるが、1日だけOdysseyにも行ってみた。

G・Gのアプローチから15分ほど北に進み涸沢を登り(他人の家の境界塀を歩いてみたが見られたら怒られそう)バイク置き場へ。そっから10分ほどのアプローチ。バイクの無い僕らには遠いので1回ぽっきり。帰りの日なたは辛かった。(9月前半はまだまだ夏の日差しなので、日なたに出ようものなら僕らはクタクタになってしまうほど強烈な暑さだった。)

バイクと言えば、クライマーはやたらレンタルスクーターを乗り回していた。
マスーリ滞在ならどこの岩場に行くのもちょっと離れてるからか、もしくはマスーリ周辺を登り飽きて他のエリアに行く人が多いのか?(南岸の港町でもレンタルバイク屋がたくさんあったし、そもそも住民がバイクに乗りまくってた。島の文化なのかも。)
ストリートはしょっちゅう、ビービー、ビービー、スクーターの走る音と匂いがしていたなあ。
(そんなにみんな乗らなくても、アルメオス周辺のエリアで十分だけど・・・)

僕らは1日だけ遠いエリアに行こうと思いレンタルバイク屋に行ったが、バイクが無かったり、自動車免許だけでは貸せないと断られて諦めました。自動二輪の免許、国際免許証のA欄にハンコが無いと貸してくれないようだ。(店によるのかな?)

僕らが滞在したのは、アルメオスのElena Village。
マスーリの北の端から歩いて10分少々、でも岩のアプローチまでは2分。
GrandeGrottaへ通うならArmeosに滞在するほうがアスファルトを歩く距離が短くて良い。


GrandeGrottaは2時にメイン壁が日なたになってしまうので、ヨレタ日はアプローチを降りたらすぐプール!
最高でした。

ギリシャ カリムノスツアー②Grande Grotta

2017-10-03


Grande Grotta
グランデグロッタって読むのかな?Grottaってイタリア語でCave。
スペインサンタリーニャのCova Granと同じ名前のようだ。(covaはカタルーニャ語らしい)
英語でGrate Caveか、Big Caveとなるのか・・・つまり、でっかい洞窟。

この岩場、染み出しが多いようで石灰岩のツララが異常に発達している。
タイのライレイの岩場もそうだが、それ以上にガバガバで、染み出しで濡れていてもしっかりホールディングできるほどえぐれていたり、とにかく持ちやすい。
しかも、コルネも他の岩場に比べてインカットしているものや握りやすいものが多いので登りやすい。
ルート数は少ないが、登ってみると難しさは感じる事なく、ただパワーがどこまで続くか?っていう、アスレチック大会のような課題がほとんどだった。

上部にいけばいくほど、ツララ状のホールドがミサイルのように林立していたり、どっかり座って休めるように横に伸びているものも多数ある。真下なら分かるけれど、なんで横に伸びるのか謎である。

5a(5.6ぐらい)〜8b+(5.14a)までエクステンションを含む23本。
エクステンションを除けばケイブ内は実質10本。(少ないのが残念)

5c+(5.9ぐらい)からコルネに座れ、7a(5.11d)からミサイルとたわむれまず。(5.10cぐらいのムーブ)
通常のクライミングとはかけ離れているが、ここでしか味わえない印象深いカリムノスでは絶対に登るべきエリア。

ギリシャ カリムノスツアー①

2017-09-20

Kalymnos(カリムノス)島
アテネから飛行機で実質30分ほどの距離、すぐそばはトルコとの国境。
そんなエーゲ海の東の端の小島が、岩だらけクライミング三昧のリゾート天国。

5,6年前から周りのクライマーが度々訪れていたが易しい課題が豊富ということを聞いて、自分は老後の楽しみにしようと思っていた。が、しかし、フレンチグレードの7台は当たり前で、8台も一杯あるらしい。これは、今のうちに訪れておかなければ登れなくなるという事で、今年はスペインをお休みにしてギリシャ初上陸となりました。

大阪→東京→ドーハ→アテネ→コス島(飛行機4便)コス島泊
コス島→カリムノス島:高速船で30分8.5€ユーロ(フェリーなら1時間くらい?7€)
港→マスーリ(TAXIで20分ほど。17€)

僕らは家を出てから目的のホテルに入るまでが47時間。
今回はのんびり行程だったが、タイトに移動すれば30時間少々で行けそう。

それにしても、このカリムノス島・・・木がほとんど生えていない。
グレー一色(石灰岩)。
つまり岩島。
今まで見た事が無い。
まさにクライミングをしろと言わんばかり。

船でPothiaって町からMasouri(マスーリ)まで意外と町が連なっていて、この岩島で何を糧にたくさんの人が住めるのか不思議だった。

マスーリは西海岸の小さなリゾート地。(ホントは小さいストリート(笑)
ホテル、アパート、Studio等々宿と、レストラン(taberna)、カフェ、そしてレンタルバイク屋が所せましと何軒も連なっている。


僕らは町外れのホテルに滞在して、岩のアプローチ入口まで2分。エリアまで坂道を15分。

そして、ここに最大の魅力満載エリア”Grande Grotta”があった。

(Wi-Fi環境が良くない為、長文も打てないので後日に、)つづく・・・

GW 鳳来2017③

2017-05-11

2017/04/28(金)〜05/07(日)
できるだけ平日に登るために一日早くGWツアーに出発。
当初は全部で11日間の予定でしたが、疲労の蓄積の為10日間に短縮。
今までにないほど天気の続いたGW、2日ほど短時間の小雨も降ったが登りに影響無し。

ところで、人の少ない平日にできるだけ登ろうと考えていたが・・・休日もクライマーは少なかった。
常に岩場は閑散としていたような。

気温は全体的に低め。湿度も低め。
つまり、超ベストコンディション。

その好条件の中、パートナーはツアー2日目にして目標をクリア!
レッドポイント態勢に入っていなかったのに、突然の完登に周りも僕もビックリ!特に本人が驚いていた。

2日登って1日休み。
そんなイメージで11日で8日登れるかな?と、考えていたのは大きな間違い。
登り4日目のアプローチ上で、あまりの疲労に急遽レスト。
連続登りは最初の2日間だけで、後は一日おきのクライミング。
結局6日間の登りとなったが、最終的に疲労困憊。

僕の目標課題の完登にはあと何日か必要だが、やっと先シーズンの終わりの最高到達点まで戻す事が出来た。

早く鳳来に戻りたい!

鳳来 2017-②

2017-04-26

2017/04/22(土)
先週の桜はほとんど散り、新緑達が葉を広げ出したので色が変わっていた鳳来エリア。
この日、鬼、ハイカラ岩共にクライマーは少なく平日のような静けさだった。
2017/04/23(日)
翌日は常連や、たまに来る人達も増え良い感じの賑わい。
いつも見ていた人に会えるとなんだかホッとする。

二日間共岩のコンディションは最高。
少し肌寒く感じる時間帯もあったが登りにはBest!
僕の体は作り上げ真っ最中なのでGoalは当分お預け。
順調な仕上がり具合に満足な二日間だった。

鳳来 2017-①

2017-04-19


2017年4月
天候、気温の落ち着いた週末だったので、やっと2017年初めて鬼岩に行く事ができた。
昨年秋、故障により永らく放置していた課題にトライ開始。
10、11月と、全然できなかったムーブが徐々にできていく感覚が楽しくて仕方なかった。
講習中でもスキをみつけてトライさせてもらったり、寒くても12月も行ってみたり。
秋、レッドポイントするまで鳳来の記事を封印していたのですが、残念ながら時間切れでシーズンまたぎとなってしまった。
そして、やっと春になりました!
久々のトライは全然ダメでしたが、また再開できることが嬉しい。
たくさんの木々が芽吹く寸前のこの時期、色んなパワーが溢れている自然の中は最高!
やっぱり岩はええわあ。

2016-2017スペイン冬ツアー

2017-02-06

2016/12/16〜2017/01/09
3年連続、冬のスペインツアー。
前回に引き続き、Santa Linya(サンタリーニャ)に近いVilanova de la Sal(ヴィラノヴァデラサル)を拠点に3週間を過ごした。

今回のテーマは、周辺の岩場をできるだけ行ってみる事。
なぜなら、昨年は3週間でほぼひとつの岩場Cova Gran(コヴァグラン)+アップの為のFutbolin(フットボーリン)しか行かなかったので、今回は周りの岩場を見てみる事にした。

今回訪れた岩場
Futbolin(フットボーリン)・・・初中級アップエリア
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Cova Gran(コヴァグラン)・・・でっかいケイブ
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Ager(アジェール)・・・気持ち良いシチュエーションだがアルパイン風。ほぼ垂壁。IMG_0001

Terradets(テラデッツ)・・・ブルーシャス。ツルツルコルネ(笑

Tartareu(タルタレウ)・・・この時期は朝しか日が当たらず、昼からは寒すぎ。

Os de Balaguer(オスデバラゲル)・・・見学でも霧で見えず。いずれまた。

Santa Ana(サンタアナ)・・・見学。ダムのそばで電線いっぱいでmmm、アルパインっぽいのからボルダーっぽいのまで。
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Camarasa(カマラッサ)・・・たくさんあるエリアのうちの、新しい冬の初中級エリア。
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結論、やはりCova Granが一番暖かく、課題もおもしろい!
当然といえば、当然か。
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今期は、一週目はいつものように暖かかったのだが、二週目辺りからガスの発生率が高かったり、気温がとにかく低い日が多かった。初めてきた年も前半はガスに悩まされたが、今期はそれ以上に厳しく感じる日が多かった。
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車で近くの高台まで行くと、いつも良い天気なのだけれど、岩場は雲海の下。
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まあ仕方ないのでレストでは観光をしっかり満喫。

モンセラット(のこぎり山)
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ピカソ美術館
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ボケリア市場
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グエル邸
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他にも色々ドライブ
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結局、ラスト2日前に本来の暖かさを感じながら登る事ができたが、今後はこの時期のツアーを検討するべき気候でした。
寒いと嫌になっちゃうけれど、暖かいと最高なので困ってしまう(笑

スペインツアー Rodellar 2016帰国

2016-10-03

23日間のツアーが終了。
昨夜帰国しました。

最終日は、毎日オンサイト目標はかろうじて低めのグレードが残っていたので達成!
グレードは低めだが、内容は辛かったのでOSできてほっとした(笑

目標課題は、良いコンディションで出した3便目で最高到達点を超える事ができた。
しかし、あと4手。痺れて体が動かない。強引に動いてフォール。
力不足。

最終5便目は夕暮れ。
もう、よく見えないけれど、必死のパッチで送り出す手は、持つべきホールドにも届かず、手前の悪い突起にしがみつき、それでも離さずにジリジリ手を進める。泥臭く汗臭いトライは、最高到達点にはほど遠かったが、できるムーブもできなくなるほどの回収便。30代の頃を思い出すほど出し切った。

撤収は真っ暗でヘッドランプを出して暗い岩場を後に。
昔はいつも終了時刻は日没サスペンデッドだったのに、年のせいか明るいうちから切り上げる事がほとんどになってしまった。

登れなかったら、暗くなるまでもう1便!
これ、やっぱりええなあ!
(滅多にする気になれんけど。)

二年半前に、「故障を気にしてチマチマ登るのはやめて、体が壊れるまで登ろう!」
と、登りたい課題をとことん登ったら、ほんとに壊れて、半年間登れなくなった。
その後はおっかなびっくりのクライミングが続いているが、今年のテーマはセルフケア。

1月以来の強度の高いクライミングを、壊れないように、壊れないように、あの手、この手を尽くしながら、様子をみつつ行った。
最終日は疲れも溜まっていたので、そろそろヤバイかな?と思いつつ、ヒートアップしてしまうと体の事も忘れ出し切った。
が、故障カ所や痛みが増大する気配は無い。

大満足。
(登れていれば更に満足。)

今回は写真も殆ど撮らず、人の登りも見ず、そんなに飲まず、
ただ登り、ただ寝た。

なんだか他の事に興味が湧かなかった。

ただただ、登りが最高に楽しかった!!!

さあ、秋からのクライミングも楽しみだあ!
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スペインツアー Rodellar 2016②

2016-09-30

あっという間に3週間が経とうとしている。

今年のRodellarは昨年より夏が長いのかもしれない。
去年の同じ時期、紅葉が進んでキャンプ場は黄色一色に染まっていたが、今年はまだ緑が多い。
その分、快晴も多いのだが気温的にクライミングに適しているのかどうかは定かではない。
ただ、僕にとっては裸で登れる気候が大好きなので最適な状態ではある。

今年の目標は毎日オンサイト(初見で登り切る)すること。
Rodellarは、ほんとにルートが沢山あるので成せる事なのだが、グレードは高くても低くても良いので毎日新しい課題を登ることを目標にした。
去年の40本とまではいかないが、なんとか10日間毎回オンサイトして新たに25本近いルートを登ることができた。
ただし、難度の高い目標課題は最終日まで持ち越しとなった。

ところで、隣のバンガローに住んでいるヨネちゃん。
今年は例年以上の筋肉増強&脂肪撃退を果たし、こんな肉体に変化した。
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北斗の拳に出てくる肉体は、実際に有り得ることを知った。
スゴイ!

ところで、ところで、僕ら夫婦の超お気に入りエリアは、Aquest any si
(カタルニャ語で、今年の場合は・・・という意味らしい。)
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なんだか、教会の聖堂のような形状で、尚且つ暑すぎず、寒すぎず心地よい。

去年からたまたま夫婦揃って気になる課題をやり続けてきた。
色んな課題を触りつつ、結局ここに行きつく。
あ、好きなんやなあ・・・と、つくづく思った。

明日は、最後のクライミング日。
精一杯登ろう。
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スペインツアー Rodellar 2016①

2016-09-24

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秋のスペインツアー

一年前に訪れ心底気に入ったRodellar(ロデヤール)。
アラゴン州ウエスカ県にある小さな村。
標高750m前後、ラ・シエラ・イ・カニョネス・デ・グアラ自然公園(Parque Natural de la Sierra y Cañones de Guara)内の渓谷沿いに広がるクライマーズ天国。

昨年はアクシデントに見舞われたが、今回は初日に無事にCamping El Puenteに到着。
翌日からマニアックなエリア探索。
低いグレードでも登れないものは登れない(笑
昨年は40本のルートを登ったが、今回も知らないルートをメインに毎日オンサイトが目標。

今年の夏は異常に暑かったようで、一週目は残暑が厳しく日中は日陰を探したが、朝晩の冷え込みはさすがスペイン。
日本の熱帯夜が嘘のように快適!

クライミング3日目には、7c+(5.13a)、7b(5.12b)を触ってからの去年の課題8a(5.13b)をトライ。
去年苦労していたムーブが一発でできて上機嫌。(この日が一番元気だった(笑 )

滞在5日目から季節も完全に秋に変わったようで登りやすくなってきた。
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が、しかし、日陰は寒いとボヤきながら日なたは暑いので、結局上裸で久々に7a+(5.12a)をマスターオンサイトした日から・・・
疲労感が高まり、風邪っぽいので丸一日寝倒したりもしてみた。

今回はレスト日はレストらしく過ごして遠出をしないことにした。
日々の食材の買い出しもキャンプ場内で済ませ、一時間離れた街Huescaへは運転が疲れるので、一度だけにとどめている。
ツアー恒例のチョコクッキーを控え、前回のツアーで大いに飲んだワインも控えてみている。
ビールも含めて酒量が格段に減っている。
それでも、美味しいものは一杯あるので登った日は大いに食べる。

それにしてもRodellar、ほんとに気持ちが良い。
ヨーロッパの各地からクライマーが訪れ、今週は日本のクライマーも最大17人ほど各宿にちらばりながら滞在していた。
10年以上前は、7、8月の夏の岩場として日本から訪れていた人も多かったようだが、近年の暑さのせいか9月後半がBestになりつつあるのかもしれない。

明日からは最終週。
まだまだやりたいルートは尽きないけれど、できる事、やりたい事をコツコツしていくしかない。
ツアーに出るたび思う、時が一瞬のように過ぎ去る。

さあ、今日も色んなムーブを想像して寝よう。

鳳来・鬼岩 事故による教訓

2016-06-10

日本フリークライミング協会(JFA)や山渓CLIMBING-netでも報じられていますが、
2016年5月2日(月)、5日(木)に相次いで愛知県新城市鳳来、鬼岩にて二件の墜落に伴う頭部への怪我、
それぞれヘリコプター搬送という事故が起こりました。

私はその時期に10日間の鳳来ツアーに行っており、2日(月)の墜落をまのあたりにし、事後対応を行いました。
5日(木)はレストの為、事故後下山したクライマーから事故の話を聞き驚きました。。

二件の事故は誰にでも起こりうる可能性を感じますが、ヘルメットをしていることで怪我の程度は軽くなっていたことと想像できます。(手繰り落ちや、足の引っ掛け等は各々細心の注意を払い意識を高め、技術を高める事で防ぐしかないでしょう。もちろん、自分の状態、岩の状態の判断能力も大切ですね。)

ヘリ搬送時にやるせなかった事。
岩場中のクライマーが救助に当たり、担架にて安全な河原に移動できましたが、
119番通報ヘリコプター要請により30分程で鬼岩上空までヘリが飛来したものの、我々の地点を認識できなかったようで2度通過して遠のいてしまいました。
通過後30分ほど後に飛来して、何度も周囲を探索してやっと我々の場所を特定していただけました。
トータルで1時間ほどかかったようです。

3日後の搬送は、同じ場所であるものの、ヘリ等の救急隊の担当者が変わっていたようで、同じように場所の特定に時間が掛かり、挙句燃料切れの為給油に引き返したそうです。トータル3時間ほど経過したと伺いました。

結果的には2件の事故者共一刻を争う負傷ではなく、頭部の怪我の回復も一カ月経過しお二人とも良好なようで安心しました。一人の方は先日鬼岩まで快気祝いに元気なお姿を見せに来られていました。
しかし、一件目の事故直後は命の危険を感じていた僕らにとって、通過を繰り返すヘリが悲しくて、やるせない思いで一杯でした。(本当に1分でも1秒でも早く治療が必要だと思い願っていました。)

この出来事を踏まえて、鬼岩からハイカラ岩に向かう広場にあるハイキング看板表裏に、
座標を明示しました。(ホウヒハング側)
救急担架取り扱い説明書にも記入してあります。

北緯 35.0350
東経 137.6637
(共に小数点以下は10進法です。60進法ではありませんのでご注意ください)

これは鬼岩南東側基部の座標です。ヘリ搬送ピックアップポイントが傍の河原で行われる事が多いのでN氏にGPSにて測定していただきました。
今後、ヘリ要請する場合は北緯、東経座標を伝えて頂ければ幸いです。

連続ヘリ要請を受けて地元新城警察署が鬼岩周辺に2カ所、看板を設置してくださいました。
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以下赤文字は看板に書かれている全文です。

鬼岩で2件の滑落事故発生!!
クライマーの方へお願い
一歩間違えれば命の危険も!!
ヘルメットの着用等
安全対策を徹底して下さい

愛知県新城警察署

看板には警告ではなく、
クライマーの方へのお願い・・・
と書かれています。
すごく暖かいメッセージだと思いました。
これは、事故を起こしたから岩場を閉鎖するというメッセージではなく、自分の命は自分で守ろうというメッセージだと感じています。(事故後地元駐在所の方が、怪我に懲りて鳳来に来ないなんて思わずに、元気になったら又来て下さい!という言葉もいただいたそうです。)
但し、私個人としては、今回の事故が、警告だと感じています。

事故後はヘリコプターだけでなく、麓から担架や応急セットを持った救急隊員が走って現場に向かい、乳岩駐車場には消防車、救急車、パトカー、対策本部ばりにテーブルを設置し地元の役員さん達も駆けつけ事故の無事を願い対応してくださっていました。数年前のハイカーの事故の時に遭遇した時も数十人態勢でした。
一たび山での事故が起きると、たくさんの人々が駆けつけてくれます。

鬼岩はアプローチに1時間を要し、救助の困難なエリアだという事を再認識しました。

看板には、
ヘルメット着用等の安全対策を徹底して下さい・・・
と、書かれていましたが、ヘルメットを被る事だけではいけないと指摘してくれたクライマーもいます。
一般の感覚では、なぜ危険行為であるクライミングでヘルメットを被らないのだろう?と思われる方も多いかもしれません。

私も登りにくい、カッコ悪いという思いで17年間フリークライミングではヘルメットを常用していませんでしたが、鬼岩という立地条件、観客席という危険性等の色んな要素から、人に迷惑を掛けないためにヘルメットを被ろうと思いました。
(私達は夫婦で鬼岩、特にメインウォールでの危険を再認識し、ヘルメットを着用するようになりました。その他にもヘルメットを着用しだした常連の方も2名おられます。)

ただ、ヘルメットを被るべきだと人に強制できない思いもあります。
フリークライミングはあらゆる物からの解放であり、危険に臨む時も、自己の体力、技術、精神力を鍛え上げる事で、無事に登攀を行う。その課題の危険性を超えた時に本当の解放を勝ちとる事ができると思うからです。
安全第一ならば、フリーソロは論外、クライミング自体成立しなくなってしまいそうです。
私はヘルメット着用の判断は個人に委ねられるべきだと思っています。

そして、大事なことはクライミングは常に危険行為であるという緊張感だと思っています。
基本的な安全技術、確認、声かけ、墜落態勢、確保技術
これらは常に意識して向上心を持って取り組まないと、危険はすぐに表面化してしまいます。

経験の少ない方へのアドバイスも優しく丁寧に相手の事を思って行わないと、すぐにケンカになってしまうのが日本の岩場でよく見られる光景です。逆切れされるからといって見てみぬフリのなんと多い事か!
(言葉選びの難しさを感じさせられますが、相手の為に丁寧にアドバイスしたいものです。そうする事で相手も理解してもらいやすく、いずれ岩場や自分の為になるとも思います。)

加えて、メインウォール観覧席での落石も頻発しているので観覧席にも座らないように意識を変えました。
万が一墜落者がグランドフォールした場合、観覧者に激突する恐れもあります。
仲間を応援している間や、オブザベーションに夢中になっている間に、他の課題に登攀中のクライマーが自分の真上に居ても気づいていない方が多数おられます。

先日はドントストップザカーニバル9pin目でのフォールでクライマーが壁に足をついた際、観覧席に落石、事なきを得ましたが直前まで観覧者が居た場所でした。

万が一当たると、簡単に死にます。

何より危険なのはメインウォールのビレイゾーンと通路が同じ場所である為、ビレイヤーとの会話が非常に多い事です。
ビレイヤーに話しかける無頓着な状態。(私も度々会話してしまいます。)
ビレイヤーが集中してクライマーのコールを聞こうとしても、聞き取れないほどの周囲でのおしゃべり。
意識あるクライマーも、過密時(特に朝のアップ時)は意識が飛んでしまう程の異常空間。
私は混雑時にメインウォールに入るのを辞めました。

私は鬼岩が大好きですが、集団心理により緊張感の無くなってしまう鬼岩を恐ろしく感じます。
是非、今一度クライミングの持つ危険性、スリル、そして緊張感、高揚感、素晴らしさを感じていただければ、より良い安全対策を行う事ができるのではないでしょうか。

みんなが意識を高く持てば、看板も必要の無い日が来ると思っています。

鳳来 2016春

2016-06-10

2016春の鳳来は自分にとってぎっくり腰からの復活、基礎体力を取り戻すためのトレーニングの場となりました。
それだけでなく、複数の事故から色々と考えを巡らせる機会を与えてもらいました。

4月
 9(土)〜10(日)鬼岩 留年5.11d登れず(泣
15(金)〜16(土)鬼岩 留年5.11d登れた!
23(土)〜24(日)鬼岩 大顔ライン5.11d登れず。

28(木)ツアー出発直前にプチギックリ腰再発(泣
29(金)〜5/8(日)10日間ツアー
30(土)鬼岩 桃太郎5.10a敗退

5月
 2(月)鬼岩 Mさん卒業にてグランドフォール 事故ヘリ搬送手伝い
 3(火)鬼岩 大顔ライン レッドポイント
 5(木)レスト Cちゃん禁セプにて頭部への怪我 ヘリ搬送の報を聞く
 6(金)鬼岩 桃太郎1本のみ登れた
 8(日)鬼岩 卒業登れず

13(金)鬼岩 よい子5.11cレッドポイント、DSC5.13b入口まで登る気になった!
14(土)ガンコ岩 アウトドアスクール
15(日)鬼岩 アウトドアスクール

21(土)〜22(日)鬼岩 ホウヒハング5.10b/cオンサイト、なめくじ5.12a登れず

28(土)〜29(日)鬼岩 なめくじレッドポイント

6月
4(土)鬼岩 卒業5.12bリピート成功、DSCへのムーブ力確認

5(日)は雨の為早朝に撤収。
これにて春らしい鳳来は終わりを告げ、梅雨真っ只中突入。
意外と梅雨は気温が上がり切らない日もあるのでまだまだシーズン継続中。
そして夏の鳳来へ向かいだす。
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復活

2016-04-07

先月3月20日、3年振りにギックリ腰にみまわれました(泣

自身、4度目のギックリ腰。
徳島日和佐の岩場でクライミングシューズを履く際に、ビシッと激痛が走ったのですが帰宅まで12時間、6時間のドライブも影響したのか、思いのほか厳しい痛みが続いてしまいました。
腰の痛みが治まりかけた頃、今度はお尻に影響がでて別の痛みが始まり、都合15日間登ることができませんでした。

今週火曜日、やっと人工壁でリハビリを開始。
たった半月で、腕力はもちろん脚力が衰えていることを痛感。
今週末は岩場で確認。

昨日は久々にステップアップスクールも開校。
これから、2ヶ月ベストシーズンのクライミング。
コツコツと力を取り戻していきます。
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chipping

2016-03-22

Chipping・・・chipの現在分詞。(木・ガラス・瀬戸物・ペンキなどの)かけら、 こっぱ、 切れ端、 削りくず

3月22日の記事は内容が、重苦しいものである事と、公開する事の影響を考え希望者のみの一部公開にさせて頂きます。
閲覧希望の方はメールにてご連絡下さい。

桜いっぱい北山公園2016⑪

2016-03-17

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2016/03/17(木)
2週間前は激坂チャリンコアプローチトレーニングだけで岩は登らなかったので、実に3週間振りの北山での登り。

前日と打って変わって気温上昇。
僕の気温計は日陰で20℃とか24℃とか、岩の上はmax28℃!!!
溶けるやん(笑

今日は4時55分にパッチリ目が覚めてそのまま起床。
そのツケか、午後の暖かい岩の上では後頭部を引っ張られるように重だるい。
つまり、眠い。
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日なたでアップ3本。
しても眠い。

マズい。
帰ろうか。
怪我する前に止めるか。

いつものリピートメニューではモチが上がらないほど眠い。

う〜ん・・・

とりあえず日陰に移動。
メールのやりとりをして、週末のリードの目標課題を思い出す。

これや!
なんとか無理こじ傾斜を使って、目標課題の核心ムーブを作ってみる。
一緒の動きにはならないけれど、めっちゃいい感じ!

お目目パッチリ。
3セット、唸りながらデッドで激遠い極悪ホールドを取りに行きブチ落ちる。
目覚めた〜!!!

最後に持久的トレ。
終わった途端、睡魔が・・・・・・・

こんな日はとっとと帰ろう。
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それにしても花が切れ買った。ちゃう、綺麗かった。
きれかった。きれいかった。
関西弁ではきれいかったとはいわんなあ。
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植物園はほとんど枯れ木だが・・・
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いたるところに早咲きの桜が楽し気に花開いていた。
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寒い時から咲いてたのかな?

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河津桜ってのは葉桜も綺麗。寒桜より早く咲いてたっぽい。

最後はモモね。
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日和佐 2015-16③

2016-03-15

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2016/03/12(土)〜13(日)
5週間ぶりの徳島県日和佐。
前日に自宅前で車を移動発進した直後に警官に呼び止められて駐禁を取り締まられて憤慨。
夜中も腹が立ってよく眠れなかった(笑

寝不足気味なのでのんびり出発。昼前に岩場に到着。
地元クライマーのS&Tカップル+Mさんの3人と我々の5人だけ。

快晴なのに風が冷たく日なたに居ても寒い一日。
岩は時間の経過と共に冷えてゆく・・・
目標のサウダージ5.12cは、来るたびにムーブを思い出す作業からやり直して、できる頃には疲労困ぱいを繰り返して早二年。
また、今回も・・・

前回クライミング後に最適ムーブを小耳にはさんだので新しいムーブをチャレンジすると幾分登りやすくなった。
しかし、1ヶ月の間にリードの岩をまったく登っていなかった代償は大きく、核心でのピンチ持ちで左前腕の筋の付け根がさよならしてしまった。

力が落ちているのに気づかず頭だけが登ろうとしていた。
強い体で出来ていた動きを無理矢理すると、弱ってしまった体の部品が耐えきれず悲鳴を上げる。
まるで強度を超えた負荷がかかってボルトが曲がったり、ビスが飛んでいくような現象と似ている。

結論
冷えた岩において弱った体でフルパワーを出すと故障に繋がりやすい。

クライミング後は白い灯台の温泉(冷泉らしいが)でゆっくりあたため、マッサージ&ストレッチで翌日に備える。

今回は売り切れか漁が不発だったのか、日和佐のイカにありつけず。
そして道駅は工事中で仕方なくキャンプ場で車中泊を余儀なくされたのだが・・・道駅より快適な事が判明!
災い転じて福と成す。

二日目は一日曇り予報のはずが朝から青空も見え、風も無く好条件。
前日より2時間も前に岩場に着いたら、9時過ぎでもドーム内に日差しが届き、甌穴群の取り付きあたりまでポカポカ。
早起きは三文の徳。

奥さんのマスタートライをよそ目に僕は腕の疲労痛が癒える事を願い、ゆっくりスタート。
潮騒エクスタシー5.10bはかなり右上しリードでの回収はロープも痛めるので、登ってはヌンチャクを回収する作戦をとった。
ヌンチャクを3本掛けて、1本目までクライムダウンして回収。
常に2本以上ヌンチャクにロープが掛かっている状態。
全部でボルトが8本+終了点があるので・・・ルートを3.5本分登り、2.5本分クライムダウン。
完全に、リードしてその後トップロープ回収したほうが早かった(笑
急がば回れ。
でも、
2本登るだけで済んだが、登りと下りで6本分岩にしがみついていたので超持久力トレーニングになった。
暖かい岩で易しい課題を行ったり来たりすると、疲労痛を伴っていた腕が低負荷のマッサージを受けているようで、とても気持ち良くほぐす事ができた。
瓢箪から駒。

この日はホントにポカポカ。
これぞ日和佐!リゾートクライミングって感じでした。
寒い時には来るもんか!!!(何回も思ってるのに・・・)

昼には奥様はきっちりRPを決めヌンチャクも回収。
自分でヌンチャクを掛け、RPして、回収できる事は成長の証ですね。

僕は、残念ながらサウダージの核心に耐えれるほど痛みは癒えなかった為、簡単なムーブ確認をして撤収。

14時に岩場を出たので、気持ち良い帰路につく事ができました。

今度こそは暖かい日和佐を満喫したいものです(笑

山スキー道具

2016-02-22

昨日、6年振りに氷ノ山に赴いた。

先々週末ひょんなことから、大阪のIBSに山スキー用のブーツをcheckしに行った。
しかし、大阪店ではスキー用具の取り扱いは今年から終了。
なんと、神戸三宮店に行って下さいとの事。
なんだか、おいおいとムカついたが翌日ほんとに神戸三宮店に足を運んだ。
(前日のボルダリングの疲労が思いのほかきつく、疲労回復の為サイクリングを選んだ事で急遽IBS神戸三宮店に行く展開となった。)

余談だが・・・
僕は25年ほど前から8年程毎年スキーを楽しんでいたが、クライミングに出会いパタッと止めてしまった。
バックカントリースノーボードは10年前北海道に移り住むほど、ハマった。
しかし、この4年スノーボードすらせずクライミングの日々が続いていた。

そして、IBSで現在の山スキー道具の進化に圧倒された。

雪と言えばスノーボードにしか興味の無かった僕だが、スキーブーツを履いてみると懐かしくもあり、嬉しくもある。まあしかし、とりあえず試着だけだったのだが・・・

3日後、嫁さんの古い山スキー道具の確認の為もう一度IBSへ訪れると、先日とは違うスキーブーツに出会ってしまった。

軽い!小さい!歩きやすい!!!

その気になった。
嫁さんの古いビンディングにも適合する。

思わず買った。

あれ、俺はスノーボーダーだったよな・・・?
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それにしてもこのブーツ・・・僕のボードのソフトブーツより軽い。
驚いた!

嫁の古いシールはノリが劣化していて使えないので、リペアには2週間掛かる。
近々行くにしてもバックカントリーはボードにして、とりあえず岩のコンディションが悪い時にゲレンデで試してみよう!と、思っていた。

しかし、そのシール自体僕が使わせてもらうスキー板に装着できない事が発覚。
リペア中止→廃棄

そして3日後、シールを購入。
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???これは・・・!
いきなりバックカントリーに山スキーで行けるやん!
他のギアはスノーボードで使っていたものを流用。

天気予報は悪いが、買ったからには荒天でない限り行きたくなる。

そして昨日、氷ノ山でシール登行を初体験。
たった一週間で、クライマーがバックカントリースキーヤーの真似事をする事となりました(笑

赤い彗星 北山公園2016⑨

2016-02-19

2016/02/19(金)
昨日快晴だったが、どうにも体がおもだるく青空を見上げながら翌日の気温上昇予報を信じてレストとした。
今日、暖かいはずが・・・コックロック周辺は風が意外と強く寒い。
ただ、エリアによってはグッドコンディション!

今日は自転車もボルダーマットも嫁さんのを拝借。
初めてクロスバイクで北山アプローチ、ボルダーマットは初使用。
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写真では少し実物と色合いが違って見えるが、マットはピンクに近い。
並べてみて気づいたが、これは・・・

赤い彗星カラーではないか!!!

シャア専用モビルスーツを作った経験のある人ならピンとくるはず・・・
(プラモデルの話ですが)

で、クロスバイクは彗星のごとく走りやすく、思わず激坂も全て降りる事無く上がり切った。
しかし、この行為がボルダーでの立ちこみに影響してしまった(笑

マットは、意図せずスッポ抜けで落ちた時と、立ち込めずかなり高いところから落ちた時に威力発揮!
安いのに良い買い物ができたとご満悦。

今日からは、バーカーヘッドトラバース初段のリピート狙い。
12年前に一度登った切りだったので思い出すところから始めたが・・・
何もできない(笑

とりあえず、ホールドとスタンスの確認作業から。
何度か触っていると、部分的にムーブができはじめた。

ホールドを持つというより、押さえる。
きつい!
しかもヌメル。
足がきれそうでギリギリふんばるスタンス。
一気に指がシビレ、体中がヨレた。

この感じ、忘れていたあ!!!
ここ数年、鳳来やスペインの傾斜壁を登り込んでいたので、しっかりしたホールド、スタンスのクライミングが主流となっていた。ジムナスティックというか・・・ガバメイン。

ああ、そうやん。

この強度を登らなければ体幹も強くなっていかない。
これは、めちゃくちゃ良い刺激になる。

最近、ムーブを解明してから、想像通りの便数で登れない事が増えていた。

衰えか、劣化か・・・

そうじゃなかった。
記憶に残る体のレスポンスと、現状の体の弱さのギャップを掴め切れていなかった。
以前は、もっと激しい登りをしていたから、頭だけが登っていたのかもしれない。

よし、壊さないようにコツコツこの強度を繰り返そう!

全然登れなかったのに、なんだか嬉しい一日となった。
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北山公園⑧→PUMPでSchool

2016-02-16

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2016/02/16(火)
昨日急遽school依頼があり、今日の昼に行く予定だった北山公園を午前に繰り上げた。
今朝、起きた時の気温は1℃。
よく晴れていたので気温は6℃まで上昇していたが、いざエレファントノーズ周辺に着くと風が強い。
つまり、強烈に寒い。
つい二日前は20℃近くで4月の陽気だったが・・・今日は真冬。
簡単ながら5m強のハイボルは緊張するほど風が強かった。
日陰の課題は氷を持っているようでアップにならない。

今日も無理はできないなあ・・・残念、条件の良い日でないと無理は禁物。
とりあえず、時間がタイトなのでアップもそこそこに2月のリピート目標である将棋岩に移動。
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ブラックマークベットリの将棋スタンス・・・先週は無かったけれど?

正午前、将棋前には誰も居ない。
今年初めて行った時以来、一人でトライ。
故障予防の為、一日10便までと決めているが今日は時間がきたら帰るつもりだった。

二便目、なかなか上げれなかった右足が止まり、右カチをタッチ。

いける!
強さが戻ってきている事を感じた。

三便目、右カチが止まる。
ここから足を上げたら、僕の薄々マットへの着地は衝撃が強すぎるので禁物。
慎重に、慎重に高度を上げる。
いける、いける、いける!

一人、将棋岩の上で黙ってガッツポーズ。

リピート課題が登れた事がこんなに嬉しかったのは初めて。
こんなに将棋ノーマルに苦労したのは16年前に初めて登った時以上かも。

5年前、膝を壊し、肩を壊し、北山の着地でギックリ腰になって以来、岩ボルダーでのトライは封印していた。
5年の間に力は落ち、研ぎ澄まされていた感覚は錆びついていた。

今年初め、数年後への大いなる目標を立て、故障に対する意識も変わり、クライミング前後のセルフケア、クライミング以外のトレーニングを変えた事で、痛みから脱却できそうな気になった。
そして、岩のボルダーへのトライを5年振りに再開した。

先月、3級のリピートに手間取り、今日やっと1級に戻ってきた。
さあ、やっと北山課題本格的にスタート!
段に戻すのにどれぐらいかかるだろうか?
リアルハイシーズンは残すところあと僅か。
ただ、今年最初に触った三段の、できなかったスタートが今日は楽に感じた。
(もちろん、まだまだ登れそうにないが。)

今日は昼から登る予定だったが思わずGood Timingとなった。
なぜなら、将棋を登り終えた頃から雪が降りだし日差しは無くなってしまい、登るどころではないほど寒くなっていた。
school依頼者様に感謝。

数日前、春の陽気に誘われ花開いたようだが、雪の舞うなかの梅も粋なものだ。
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そして昼からはPUMPでプライベートスクール。

新しい店長は、コンペ復旧のボルダーセットの疲れも見せず、新たなリード課題も作成してくれていた。
リードのお客さんも、ボルダーのお客さんもなんだか嬉しそうに新しい課題を登っていた。
PUMPもこれから益々楽しみ。

ROCK ONも、VOLARE escaladaも行きたいし、そして何より岩に行きたいので体がいくつあっても足りない状態(笑

今日のように、岩を登り、スクール仕事をして、人工壁でトレーニングできる日は僕にとって最高の一日。

ROCK ON Climbing Gym

2016-02-15

2016/02/13(土)
この日は、大阪府八尾市にあるROCK ONに初めて登りに行った。
スペインツアーレポでも登場した、原田さん(はらっさん)&まるたにさんのクライミングジム。

兵庫県で生まれ育った僕には、大阪の八尾って距離感がわからないまま遠い所というイメージが染みついていた。
昨年初めて見学に訪れた時は車で高速道路を使って行ったので時間の感覚がわからないまま。
しかし、Google mapの乗換え検索すると、電車で50分少々・・・ん?
GRなんば店に20分足すだけでけで行ける距離だったのかあ!!!
っと驚くほどの近さだった。

そして・・・登ってみると・・・Bouldering Gymではなく、Climbing Gymという名称であることを初めて認識した。
そしてそして、このジムで登った事が僕のストレスを解消させてくれる事となったのである。
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話しは脱線するが、
昨今のボルダージム乱立ブームより遥か前(10年以上前)、まだ大阪にクライミングジムが4軒(だったと思う)しか無かった頃に何やら八尾にジムができたらしいと聞いたものの、八尾は遠いから自分の働いている店のお客さんとは競合しないだろう・・・なんて考えながら、ロープの登れないジムに興味が無かったのも相まって訪れる事が無いまま10年以上経過していた。
(昔は、フリークライミングって、べつにボルダーとかロープとか分け隔てなく登っていたので、クライミングジムと言えばロープ用の壁とボルダー壁が有るのが当たり前だと思っていた。)

僕がクライミングジムで働くのを辞めて10年。
その間にクライミング界というか、色んな事がガラッと様変わりしている。

今や、小さな我が町西宮にも商業ボルダリングジムが3件+プライベート的ジム1件の超過密時代。
ベテランが始めたジム、中堅が始めたジム、企業が始めたジム、ビギナーが始めたジム。
多種多様な時代である。
しかし、クライミング経験の少ないセッターの課題の多くは基本的にボルダーライクなものが目立つ。
(ボルダージムとしては当然といえば当然だが、リードの課題までもが・・・)
グレードに関わらずバランスのとりにくいムーブが多く、高グレードに至っては巨デカスローパーやゲキ悪ホールドに頼ったグレーディング。

簡単に言うと、ドッタンバッタン系。若い人には燃えるよね!
しかも、勝負が早い!(しかし安易でもあるし、怪我や故障のリスクが大きい)
ジワっとねじり込むとか、テクいね!と、思える課題は少数派。
ましてや、持久系なんて皆無・・・
耐えて、耐えて登る感じでは無く、持てるか持てないか?って課題が多い。

僕にとってのムーブの醍醐味は、切り返し。
ギリギリのバランスからのクロスムーブで逆のバランスに移る瞬間が、絶妙なポジショニングや力の見せ所。
これを感じさせてくれるリードの課題は非常に少ない。

クライミングをしていて、ボルダーもリードも両方好きだが、それぞれに課題の長所やトレーニング的にも色んなアプローチがあると思う。極端に言うと、ロープ壁で瞬発系や激カチ練習もできれば、ボルダー壁で持久力も鍛えられる。

なのに・・・
昨今、課題が少なかったり、ホールドが少なかったり、でかいボテや見た目重視のスローパーのなんと多い事か!
もちろん素敵な課題のジムもたくさん有るのだけれど、我が家から通いにくいところが多いのが残念。
もう、課題の質は問わないので、良い悪いまんべんなくホールドをビッシリ付けて欲しい・・・トレーニングさせてくれ!っていうのが率直な思い。

話しをROCK ONに戻そう。

壁に書かれたグレードはデシマルグレード!!
なんと、長物いっぱい。ガバいっぱい!
もちろんスタンスも良い物からちっこいものまでより取り見取り!

課題も、ああ、リードもボルダーも、プラスチックも岩も登り込んでる人が造ってくれてるんやなあ・・・!
(って、昔は当たり前やったはずの事なのだけれど)

が、昨今の無造作にできているジムでは、体を壊しそうな課題のオンパレード。
強くても弱くても、上手くても下手でもいいから、
「ボルでもリードでも岩を登りまくってから課題作ってくれ〜!!!」
っていうのが、最近の若いセッターへの僕の願い。(僕自身、経験浅かったし、課題作りはヘタクソだったから岩を登り続ける事が唯一の支えだった。)
こんな願いはROCK ONに必要ないほど、めっちゃ良い!

熟練クライマーがオーナーのクライミングジムは最高です。

登った後はROCK ONのお客さんでもあるノッティ先生の整体。
プロの柔道整復師、鍼灸師であり、クライマーのノッティ先生。
現役クライマー医師であるM先生はクライマー界では超有名であるが、現役クライマーが整体を施術してくれる経験が僕には無かった。
今まで、鍼灸、スポーツトレーナー、なんだか奇妙な整体、スポーツリハビリ等々経験してきたが、クライマーの先生は皆無。
クライマーだからこその悩みや、痛み、克服の為のセルフケア。
話しが通じるって素晴らしい。
ほんまに嬉しい限りです。

ROCK ON、近所にあれば言う事無し(笑
否、大阪にある事を喜ぼう。

また、行こう!
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