Spain Climbing Tour Report 6 Cova Gran
Cova Gran(コヴァグラン)について
この岩場は、野球場のドームを半分にカットしたような形状をしている。
その為、温室効果を得て寒い冬の朝ツララができたとしても、昼の日差しがあればドーム内は気温が上昇して裸族で登れる。ある意味ドーム内は観客席であり、見上げれば180度のクライミングショーが繰り広げられている。
そして最も魅力的な点は、岩場の中央に集いやすくクライマー同士がとてもコミュニケーションをとりやすい。スペイン人の人なつっこい人柄も相まっているのだろうが、こんなアットホームな岩場は僕の経験では初めてだ!
ルートはドーム内の壁や天井を這い上がるので、おのずと高難度のルートがひしめきあう。ただし、強傾斜であるがゆえにホールドは他の岩場の同グレードに比べてガバガバのものが多いので、より、スポーツらしくジムナスティックな課題が数多くある。
多分、あらゆる要素が詰まっているコヴァグランに僕は魅了されたのだろう。
グレードは6b+、7aが数少ない5.11のルートが3本。
(ただし、端っこの短いルートなので人気は無い。)
ほとんどのクライマーは7b(5.12b)以上の課題でウォーミングアップを行っている。
上のグレードは9b(5.15b)の2本。(と言っても登ったのはクリス・シャーマのみらしい)
先日、安間君が9a+(5.15a)をレッドポイントする機会に巡り合えた。(彼は、既にもっともっと上の世界に突入しているんだろうと感じる登りだった。)
スペインの中級クライマーから、世界中のトップクライマーが集う中、自分たちはほんの子供のように霞んでしまうのだが、それでもみんな分け隔てなく応援してくれて、仲良くしてくれる。こんな素敵な体験はここ以外ではなかなか考えられない。(みんなとコミュニケーションを取ってくれるのはヨネちゃんならではなのでありますが)
そして、この岩場で前半戦は10日間登り、僕はDevola Hombres7c+5.13(デボラ・オンブレス)にはまってゆくのでした。